2021年葡萄作業 その3 煮詰め作業

葡萄を絞る作業が終わると、ここからがワイン醸造とは全く違う、バルサミコ酢造りだけの作業に移る。葡萄の果汁を煮詰める作業だ。

バルサミコ酢の大きな特徴は、酢なのに甘味が残っているところだろう。バルサミコ酢の大きな特徴である芳香の第一ステップもこの煮詰め作業から始まる。

ここからちょっと化学的な話

絞った葡萄の果汁を大釜で煮詰めることによって、糖類が熱と反応し、芳香アルデヒドの一種であるフルフラールを形成する。

こんなふうに書くと一体何の話?となる読者も多いだろう。プリンのカラメルソースをイメージして欲しい。水に砂糖を煮溶かしただけのシロップ(ガムシロップ)には無臭と言って良いほど、香りはないけれど、プリンのカラメルソースには鼻に抜けるような芳香がある。

もちろん香りがよくなるからと言って、プリンのカラメルソースのように葡萄液を焦がしてしまっては、苦いバルサミコ酢ができてしまうからそれはご法度。ではどうするのかというと、大釜を使って直火で煮詰めるという作業を行うのである。古くは薪、現在ではガスの火を使って煮詰め作業をする。どうしても火は下からということになるので、鍋の底の火力と近い部分は高温になり、焦げないまでもフルフラールが形成されやすい環境が出来上がる。

もちろん液体は温度の高低差があれば対流が起こるので、大量の水分を含む液体が入っている鍋の中では、そこが焦げ付いてしまうことはないが、液体は煮詰め作業を行うにつれ、白い葡萄を使っても褐色へとどんどん変化し、とても良い香りが庭中に広がる。

左が絞ったばかりの葡萄液。右に詰め始めて数時間経った葡萄液

皆さんもきっとジャムを作っているときなどにある時点から、家の中がジャムのいい香りに満たされるのを感じたことがあるのではないかと思う。それと同じ原理なのである。

それからもう一つ忘れてはいけないのが、メイラード反応。こちらは糖とタンパク質(アミノ酸)を加熱したときに行われるアミノカルボニル反応の一種で、こちらも糖とアミノ酸の種類によって、複雑な香気成分の生成させ、褐色色素が生じる。わかりやすい例を出すと、肉を焼く、玉ねぎを炒めるなどの色の変化、また醤油や味噌の醸造中の褐変もメイラード反応によるものなので、バルサミコ酢造りにおいては、まず葡萄液の煮詰め作業、熟成期間中にもこのメイラード反応が進むと考えられ、バルサミコ酢独特の色である褐色へと導いていく。

バルサミコ酢の樽の中の液体の色の変化

前述の二つの反応は、酵素は関係ないけど、葡萄のには酵母や酵素というものも働くからどんなに白い葡萄を使ってもどんどんと褐色に変化していくから褐色のバルサミコ酢が生まれるというのがわかっていただけたら嬉しいです。

葡萄の可能性というのは本当に大きくて、バルサミコ酢造りというのは科学的なことを突き詰めれば突き詰めるほど奥が深くて面白いのですが、実際の作業現場はものすごく重労働。やーっと絞った葡萄の汁は電動ポンプで絞った先から大釜へ。流石に400Lを越す液体を手作業で移すのはもう体が持ちません。

大窯に葡萄液を入れる

大体この作業が終わるのは夕方で、全ての液体を移し終わった後は蓋をして、次の日の早朝に火を入れる準備をします。

点火は朝の5時ちょっと前。まだ真っ暗な中、蓋を取り、強火で約2時間すると大量のアクが表面に浮いてきます。

灰汁が固まり始めたところをすくう。灰汁だけでも毎回20kgほど

それを全て取り除いて火を弱め、表面が動くぐらいに火力を調節しながら煮詰めていきます。葡萄の糖分にもよりますが、大体火を弱めて12時間後くらいに作業終了。その間、葡萄の収穫に出かけ、葡萄を絞る作業を並行して行うので、一日中作業している感じ。煮詰まる頃にはすっかり日も暮れて、辺りは真っ暗。煮詰めすぎてしまっては、大事なアルコール発酵が起こらなくなってしまうので、煮詰め加減には大変に気を使います。

煮詰まるのは夜

褐色の艶のある液体を眺める時間もなく、熱々のモストコットをステンレスタンクに保管して、その日絞った葡萄の果汁を大窯に入れ次の日に備える。こんな作業が続きます。

雨が降れば収穫や絞る作業ができないので、おやすみになりますが、葡萄を煮詰める作業は続行。

雨が降ると収穫作業や絞る作業はお休み

今年は最後に雨に降られましたがおおむね良好。雨上がりにダブルで虹が見えてなんだか得した気分でした。

葡萄畑にかかるダブルの虹

今年もなんとか葡萄作業が終わったことに感謝して!

葡萄の収穫作業の様子はこちらから

      ↓ ↓ ↓

2021年の葡萄作業 その2、葡萄を絞る作業

摘みたての葡萄がトラクターに乗せられてやってくると,すぐに絞る作業に入る。

モスト(葡萄の果汁)の品質を保つためには、時間との勝負。手で摘んだ葡萄が入った容器は一つ30kgの重さがあり、毎回2224(総量660720kg)が運び込まれる。

トラクターの荷台から滑らせるように、除梗機に入れる。除梗機は葡萄から枝の部分実の部分を分けて、実を半潰しにしてくれる機械。葡萄の実は半分潰れていないと、圧搾機で絞れない。

除梗機の中はこんな風になっている

ワイン醸造なら、半潰しにした葡萄をタンクに入れて発酵させ、発酵したものを圧搾器で絞るのだけれど、バルサミコ酢造りはモスト(葡萄の果汁)を煮込む作業があるので、生のまま絞る。搾りたての白葡萄は綺麗な緑色。

葡萄生絞りジュース。飲み放題良いわね〜と言われる事もあるけれど、葡萄の収穫時の確認で散々葡萄の実を味わっている上、収穫や絞る作業でなんだか全身ベタベタで、甘い香りが立ち上っているから、葡萄ジュースでマリネされてしまった気分で、ごくごく飲みたい気分は失せてしまっている。はっきり言って早くお風呂に入りたい。

2人とも笑顔だけど、葡萄果汁でベッタベタ

あんなにあった葡萄を絞ると、大体460L強の液体で、500Lの大釜にぴったり入る量だ。

カッチャンカッチャンレバーで圧をかける作業

油圧式の圧搾器で、少しずつ圧をかけて絞るけれど、バルサミコ酢造りに使う葡萄の汁は苦味や雑味が出ないよう、圧搾器で絞り過ぎないモストフィオーレ日本語で言えば一番搾りの状態のものを使うから、搾りかすには種や皮意外にもまだ大量に水分が残っていて重いの何の。

 

これを圧搾機から取り出して、次の日に備えるのは毎回大仕事。この絞りカスはどうされるのですか?とよく聞かれるのですが、畑に戻して肥料になります。まさに無駄なし!

こんな風に置いておいて、土を耕すときに漉き込んでしまいます。

子供達は、昔からお手伝いしてくれてますが

 

1歳の頃前とは運べるものが進化しました。

今回は私と身長がほぼ同じになった13歳の娘、細いけどカンフーや空手で身体を鍛えるものすごい力持ちずいぶん手伝ってもらって大助かりでした。

まだまだ葡萄作業続きます。

2021年の葡萄作業 その1 マンマの風格は1日にしてならず。

2021年の葡萄作業。今年も無事葡萄の収穫作業を終える事ができました。

朝早くから夜まで、約10日に渡る作業、天候に左右されるため天気と睨めっこで作業を進めます。

私たちがバルサミコ酢に使う葡萄は、主にトレッビアーノという品種の甘さと酸味のバランスの良い白い葡萄を使う。8月下旬から定期的に糖度検査をして、収穫時期を決めています。

葡萄の糖度を測る動画はこちらからこんな感じで糖度を測る作業をしています。

今年は夏に入ってからというもの、本当に雨が少なく、葡萄の粒が例年より小ぶりで、糖度の上がり方も気持ち遅い感じだ。9月に入って、朝晩の気温差が大きくなるにつれ、糖度も随分と増してきました。23月の剪定では昨年よりも実がなるように芽を多めに残した結果、かなりの収穫量が見込めそう。

葡萄の剪定作業動画はこちらから

5ヘクタールある我が家の葡萄畑のバルサミコ酢に使う葡萄は全て手摘みなので、人員を確保が必要です。葡萄の収穫は朝8時半から11時。約650kg700kgを収穫し、摘んだ葡萄は数時間以内にすぐに絞る作業を行います。

まあ文章で書けばさっさっさーという感じですよね、が、そうじゃないんです!

まず人員確保。葡萄の収穫をしてくれる人がいない!バルサミコ酢で使う以外は機械摘みのため、手作業の要員は別途手配が必要なのである。トラクターの運転手を引き受けてくれるのは、葡萄畑の管理をお願いしているマルコ。その他に3人の摘み手が必要なのだが、この時期何処も収穫真っ最中。イタリア人のベテランさんは引っ張りだこで、数時間のためにはきてくれない。来てくれたとしても数日。季節労働者的な移民系の外国人の方を、色々な方から紹介してもらいコンタクトを取るも、前日の夜にドタキャン、朝来ないなどなどアクシデント続き。ここまで一体何人に電話したであろうか。。。結局私が入って総指揮を取り、葡萄のなり具合や、仕事ぶりを見ながら予定時間内に収穫を終了。次の日の集合時間や、仕事の開始時間を再度確認し、トラクターの荷台に積み込まれた葡萄を、家の敷地内の作業場へと運び入れ。

葡萄を絞る作業の準備をしていた夫いはく「牛を肥す事ができるのは主人だけ(イタリアの諺で主人の目が届かないと利益は出ないという意味)なんだから、頑張ってね」って!このようにしてイタリアンマンマの風格が確実に形成されていくイタリア生活。

葡萄を絞る作業は次回。

バルサミコ酢レシピ その15 いちじくと生ハム、パルミジャーノレッジャーノ チーズの前菜

今年はいちじくの出来がとっても良いらしい。市場の八百屋にも山積みになって売っている。

雨が降ってしまうと、熟したいちじくはすぐに腐ってしまうから、雨が降る前の今が一番美味しいよおーと市場のおばあさんに声をかけられる。なるほどさっぱり雨の降ってこない今年はいちじくには最適な天気というところか。我が家のいちじくもものすごく甘い。ちょっと油断すると全て鳥に食べられてしまったり、蜂が実のお尻の部分に入り込み、実空っぽにしていたりする。

我が夫、パッと木から採って知らずに口に入れ、蜂に口の中を刺され、大騒ぎになったことがあるので、要注意である。

そんな甘い甘い完熟したいちじく、バルサミコ酢と相性バッチリ。甘すぎてちょっと苦手と言う方はさっとバルサミコ酢をかけると、スッキリと食べられます。

そんな旬のいちじくを、エミリアロマーニャ州の特産物、生ハムとパルミジャーノレッジャーノ チーズと合わせた前菜をご紹介します。

スライサーがあるので、生ハムは塊を購入します。切り立ては最高ですよ!

材料

4人分

いちじく 10個

ローズマリー 一枝

生ハム   150g

パルミジャーノレッジャーノ チーズ 適宜

作り方

焼いたいちじくとバルサミコ酢の相性も良く、生ハムとパルミジャーノレッジャーノ チーズの塩味とも相性抜群。この焼きいちじく、サラミやチーズ類だけでなくも肉料理にも、タルトやアイスクリームなどのデザートにも合わせても美味。

今回は動画でもレシピを作りましたので、こちらも合わせてどうぞ。

バルサミコ酢レシピ その14 イタリア風冷奴バルサミコ酢仕立て

朝晩随分と涼しくなってきたモデナ。葡萄畑もあと数週間で収穫となりそうです。

バカンスから帰ってくると、畑のトマトの支柱が上の方になったトマトの重みで倒れ、必死に収穫。

生で食べるには限界があるので、トマトジュースにしたり、パスタソースにしたり必死に加工。

ミニトマトも山のように収穫。こちらは大量にセミドライにして、冷凍庫で保存します。

9月の太陽では乾かしている最中に、カビが生えてくることもあるので、低温のオーブンで乾かします。

甘みが増して、まるでドライフルーツのよう。

天板ごと冷凍庫に入れ、凍ったら、保存容器にいれて、冷凍しておくと、冬の間本当に重宝します。

今日はそんなドライトマトを使ったイタリア風冷奴をご紹介します。

材料 4人分

豆腐 1

ミニトマト 適宜

オリーブオイル大さじ2

塩     適宜

作り方

オリーブオイルは、エクストラバージンオリーブオイルの良いものをお勧めします。薬味を使っていませんが、良いオリーブオイルは独特の辛味、や香りが薬味の代わりをしてくれて、全く違うタイプの冷奴が楽しめます。

お醤油の代わりにバルサミコ酢を

鰹節とバルサミコ酢はとても相性がいいんです!発酵食品同士のなせる技でしょうか?お醤油の代わりにバルサミコ酢と少量の塩をかけて、食べるとまた違う美味しさを楽しまれるのもまたおすすめです。

友人と過ごしたバカンス

以前にも書きましたが、イタリアの夏休みは長い小中学校は6月2週目から9月2週目までがお休みで、大人もその間34週間のバカンスをとるのが常です。

そんなわけで、どこに行くか、どうやって過ごすかが夏の最大の関心ごとになるのです。

コロナ禍ではあまりにも行動が制限されたため、ワクチンが行き渡り始めた今年の夏こそは!と計画をする人も多い今年。

ワクチン接種会場 すぐに証明書を発行してくれます

通常なら海外旅行に!という友人も多いのだけれど、国境を越えるとなると、急に規制が変更されて、現地で足止め、もしくはイタリアに帰国後隔離義務がある可能性もあるとなるとリスクが高くなりすぎる。急に感染爆発となって、旅行を取りやめにしなければならないなんてことも困る。

ワクチンを打ったらアプリケーションを使って携帯にQRコードをダウンロードして証明書として使います。

我が友人たちも同じく、コロナ中の人と会うことに飢えている。

散々オンライン飲み会はやったけど、物足りない!会いたい!何よりコロナの心配なく子供達を遊ばせたい!というわけで、主人の大学時代の友人10家族大盛り上がりで、2月から大人子供42人が過ごせるロケーションを探し回りトスカーナ州のサンミニアートの近くに、あるボルゴ(集落)がバカンスの家として貸し出されているのを見つけ、早々に予約を入れたのでした。滞在したボルゴブッチャーノ

現在のイタリアはコロナ感染数が減ったとはいえ、デルタ株など予断を許しません。集団感染なんてことになるのは困るので、大人はワクチン接種、子供たちは到着48時間以内にPCR検査をすることを条件という取り決めをして、全員陰性を確認していざ。

遠くはドイツ、ミラノ、トリノ、モデナから総勢42人が集まったのでした。

1週間の滞在。問題は食事。あまりに人数が多いので、3食食べるとなると、用意する人はバカンスどころではない。大変なことになるのは火を見るよりも明らか。レストランに行くのも人数が多すぎて無理。方々探してみたけれど、一度OKしてくれシェフは、行動制限が緩和されてから、仕事に追われて、キャンセル。一度暗礁に乗り上げるも、ケータリングを主にしている知り合いのシェフを口説いて、夫婦で来てもらうことに。キッチンはボルゴ内にあるイベント用の業務用キッチンを借り切り、初日の買い物は大きなショッピングカート6台分。基本調味料から揃えるわけだから凄まじい量。

2l水のボトルが1日に40本ほど消費されてましたから、別途アルコールと飲料買い出し班を増設するほどでした。

子供たちは21522人。敷地内には大きなプールがあり、全て植え込みで覆われているので、不法侵入者や、車などに気を使うこともなく、うちの子たち138歳は朝8時ごろ部屋を出て、夜の11時まで遊びっぱなし。

近隣の名所に行くグループに参加するのもよし、残って遊ぶもよし。大きな子たちは小さな子たちの面倒を見ながら、食事も子供達の専用テーブルで実に楽しそう。女の子、男の子グループに分かれ、毎日の配膳や後片付けもよく手伝ってくれました。

これだけの人数になると、大人の専門性も多彩。

ヴィンチ村のレオナルドダビンチ博物館に行くと、子供達に各々の専門分野を説明。歴史、建築、美術、技術者、解剖学(獣医さんがいる)全ての専門家がたまたま揃っていたので、この原理は今でもこんなものに応用されているんだよ、などなどプラスアルファの説明が下手なガイドを雇うよりも魅力的で素晴らしい。

街歩きも楽しい

音楽好きの友人はバカンス中全てのバックグラウンドミュージックをオーガナイズ。大きなスピーカーを計4台も持ってきており、プール、アペリティーボ、食事、食後の子供達のカラオケ企画や、ギター演奏も。

ギターからマイク、スピーカーまで準備万端。全て持ち込んでいます。

私はもちろん、食事のそう責任者。シェフと食事のオーガナイズ。買い物や、みんなのリクエストをまとめて、メニューを決めたり、土地の特産物を買い集めてアペリティーボを企画しておりました。

夕暮れのアペリティーボ

元々同じ大学の同じアパートのフラットに住んでいた主人の友人達10人。そこに結婚して子供ができて大人数になっても変わらない友人関係。奥さんの国籍もイタリアのみならず、フィンランド、フランス、ドイツ、チェコスロバキア、日本、ブラジル、イギリスなど国際色豊か。

大人は夜7時のアペリティーボから始まり、夜中まで語り明かしました。

最終的にどんなバカンスだったか?大人の満足はもちろん、どこの子供も

こんな友達がいるって幸せ!

みんなのこと大好き!

来年はどこ行くの?

などなど本当に楽しかったようで、来年もリピートになりそうな予感です。

神父の義弟が遊びにきて全員ミサまでありました。

大人数の怒涛のバカンス。

全力で遊んだので、これから頑張って仕事します。

夏恒例!トマトソース作り

残暑お見舞い申し上げます。

今年の夏はとても暑くて雨が少ないそんなモデナです。

真昼の太陽はジリジリと焼けつくよう

日本の皆さんはトマトと言えば、南イタリアを想像するかもしれませんが、実は私が住むエミリア・ロマーニャ州は加工トマトの生産量がイタリアでなんと第一位。

加工トマトというのは、加工されたもの。という意味ではなく、加熱加工向きのトマト。生食用のトマトと比べ、皮が硬く、支柱栽培ではなく、スイカのようにごろごろと地中に這わせて育てています。以前イタリア好きのweb通信で書いたものがあるので、詳しくはこちらから。

ご近所の農家さんが栽培している完熟トマトを毎年8月の頭から中旬にかけて買いに行きます。

農家の葡萄畑の間に無造作に積み上げられている、トマト、トマト、トマト!機械で摘むのですか?と聞いたらうちは全部手摘みだよ。と!まあこの暑い中本当にご苦労様です。

こちら一部、葡萄畑の葡萄の木の間に他にもたくさん積んでありました。トレーラーみたいなもので買いに来る人がたくさんいるらしいです。

60kgください。と言ったら、箱を持ってきてくれてきたからおまけね。使うでしょ?と、10kg余分にくれるおじさん。

今年はいいできで、完熟だから、今日明日中に加工してね。と

総重量70kg。

田舎の車は何を載せるかわからないので、ダンボール敷き詰めてます

帰ったら早速瓶の洗浄。これが結構手間がかかる。

大体一本1kg強入る予定なので、70本を用意します。

これで半分くらい

翌日家族総出で、暑いので早朝6時から瓶の煮沸、トマトの洗浄。地面で育っているので、かなり土がついているので、一つ一つしっかり洗います。葡萄作業に使う大きな入れ物を出してきて、子供たちが洗浄係。大体最後は水遊び。夏休みですからお手伝いも楽しまないとね。

3回水を替え、よく水を切ったトマトをどんどん半分に切っていきます。中まで真っ赤。食べてみると例年よりずっと甘い!さすが太陽の子トマト。太陽がトマトを甘くしてくれています。

それを大釜で皮が簡単に外れるようになるまで火を通し、ザルに開けて1時間ほどしっかりと水を切ります。それを種と、皮だけ出てくるトマト潰しにかけて、ピューレを作り、火にかけて煮沸。瓶詰めをして、また瓶ごと煮沸して冷まして出来上がり!

こんな機械で潰すと、種と皮だけが出てくる仕組み

67瓶のトマトソースが出来ました。

今年は濃厚な、甘味の強いトマトソースが出来ました。塩も何も追加してない自然のままの味だからこそ、どんな料理にでも使えるのです。1ヶ月くらい寝かせた方が美味しいので、去年の残りを使い切って、それから使い始める予定。

出来上がった濃厚なトマトソース

秋が楽しみです!

動画でもどうぞ楽しんでみてください。

イタリア好きVol.46パスタ取材

ご縁があって、ここ数年「イタリア好き」と言う年に4回発行される雑誌のイタリア現地コーディネーターとして、取材班が私の住むエミリア・ロマーニャ州の取材時に取材先の選定や、アポ取り、インタビュー時の通訳などコーディネートのほか、Web通信に記事を書いたり、マンマのレシピを取材して、記事にする。と言うお仕事をさせていただいている。

5月上旬、イタリア好き編集長 松本さんからWeb通信に載せたガスパリ製粉場の話が聞きたいのだけれど。と前置きがあり、パスタの特集を組むのだけれど、製粉所に取引先のパスタ工房や、レストランを取材をして記事を書いて欲しいとの事。

通常は松本さん自らと、ライター、カメラマンとコーディネーターと言う組み合わせで取材となるわけだが,コロナ禍ではご存知の様に、日本からの渡伊は難しい。

Web上ではともかく、本誌の紙ベースの媒体を作るには本格的なカメラマンが必要で、私のやりやすい、知り合いの良いカメラマンがいたら、と

すぐに頭に浮かんだ方がいた。

友人の作家である奥村千穂さんが

「フィレンツェこだわりの店案内」

※Amazonで絶賛発売中です

と言う素敵な文章と写真を満載した本を、カメラマン向井真理子さんと共著で発表されて、文章と共に人にフォーカスした写真の感じが、イタリア好きの雰囲気に通じるものがあるな。と思いながら眺めていたのである。

松本さんに写真を見ていただいて、直接お話していただき最終的な承諾を得て、10軒以上の取材候補から編集部で会議をしていただき、そのうちの3軒を向井さんと取材して、記事を書くことになった。

 通常の取材では1日に34軒の取材をする。今回も例外ではなく朝から夕方まで。撮って欲しい写真を逃すわけにはいかない。

2018年の取材の一コマ ここアップで撮っておいてね。なんて指示が入る事も

通常は編集長が質問をされて、話していくうちにそれはどうなってるのかな?なんて突っ込んだ質問が取材中に出てきて、この写真も撮っておいてと指示が出るのだが、今回は私とカメラマンだけである。

そのため、プレ取材をして、原稿案を挙げて、流れとプラスすべき事などをアドバイス頂き、カメラマンと事前に共有する。

松本さんの最終アドバイスは取材を楽しんでください。だった。

そんなイタリア好きのモットーはこちら

人が好き

旅が好き

出会いが好き

食べることが好き

愛することが好き

楽しいことが好き

そして、なによりイタリアが好き。

そんなイタリア好きに送る

フリーマガジン『イタリア好き』

毎号、ひとつの州や、地域の食を通じて、

そこに住む人の日常に迫ります。

見えてくるものは、

人生を豊かに生きる姿かもしれない。

さていよいよ取材当日。びっくりするような大雨!

まずは向井さんを取材先最寄駅に車でお迎えに

今日の工程は

ガスパリ製粉場

 

レストラン タベルナデルクオーレでお料理とレストランの雰囲気を撮影

パスタ工房 チーブス

そしてもう一度仕込みの真っ最中のタベルナデルクオーレ

とタイムスケジュールもきっちり組んで、いざ!

取材途中、松本さんから取材よろしくお願いします!とメッセージが入る。気配りの編集長なのである。

取材はどうだったか?

カメラマン向井さんと共に本当に楽しんで取材させていただきました。

3箇所どこも愛情を持って仕事をしており、

コロナ禍で大変なのだけど、前向きで素晴らしい。

家族が一丸となって頑張っているそんな現場の臨場感、仕事への愛情、前向きなエネルギーが伝われば良いな。と思って書きました。

もちろん記事が上がるまで、編集長と数えきれないほどのやりとりがあった事はみなさんご想像の通りです。

字数に限りがある紙面に書ききれなかった部分は写真のキャプションで。

そんなところを読んでいただけたら嬉しいです。

イタリア好きVol.46

イタリア好きはサポートしているレストランにお食事に行くか、

サポートをしているレストラン一覧はこちらから

個人サポータートして登録していただくと、年に4回新刊が届きます。

最後になりましたが、取材に協力してくださったみなさん、

記事を書く機会をくださった、松本編集長に感謝です。

バルサミコ酢レシピ その13イカのバルサミコ酢マリネ

東京オリンピック開幕

ちょうど見所の放映時間がイタリアのお昼過ぎ。開催については色々言われてますが、オリンピックを目指して頑張ってきた選手の応援はしたい。そんなわけで、昼食後はテレビがつけっぱなし。とほとんどテレビを見ない我が家では珍しいことになってます。

湿度のないイタリアとはいえ、暑い!蝉が鳴き刈り取った牧草も、強い日差しであっという間に乾燥されて牧草ロールにされていました。春から3回目の刈り取り。

我が家の家庭菜園のトマトもどんどん育っております。

今回は暑い夏にぴったりの、爽やかなレシピをご紹介します。

イカとトマトのバルサミコ酢マリネ

材料 4人分

イカ   2はい

白ワイン 大さじ2

赤玉ねぎ 小1個

オリーブのオイル漬け 大さじ1

レモンの薄切り 適宜

イタリアンパセリ 大さじ1

レモン汁 半個分

EXオリーブオイル  100ml

塩  小さじ1

ミニトマト 15個

バルサミコ酢 適宜

作り方

お好みできゅうりを加えても美味。

しっかりと冷やしてお召し上がりください。

イタリア バルサミコ酢醸造を講義する

先週女子栄養大学の栄養学部の34年生の現代食文化論の特別講師を2時間100分に渡りさせていただきました。学生さん、教員の皆さんと35名以上の方の参加がありました。

2年前、特別授業をする機会をいただき、そのご縁でオンライン授業という運びになりました。

2年前の講義の様子

伝統的食文化の保存という観点からバルサミコ酢の醸造についてはもちろん、同じ栄養学を学んだ先輩として学生さんにメッセージを込めてお話してください。とのこと

モデナの場所や歴史、食文化を織り交ぜながら、伝統的な製法と工業的な製法のバルサミコ酢の違い。

我が家の伝統的な製法のこだわり。

手作業の葡萄作業について、動画で葡萄作業をご紹介

樽の移し替えの話動画はこちらから

樽の中では一体何が起こっているのか?科学的な見地や実際の色の変化。

同じセットの5つの樽こんなに色が変化していくのです。

バルサミコ酢の鑑定の方法。品質、製法による味の違いをどのように感じるのか?動画はこちらから

認証についてなど説明をさせていただいたあと、コロナ禍においての活動を紹介しました。

毎回オンライン物をやるたびに、起こる事なんですが、長く喋っていると

醸造室からライブ できるだけみやすいようにビデオカメラをWebカムにして、写真画像もスムーズに見せるために工夫しました

「聞こえてるかな?わかりやすかったかな?つまらなくないかな?」と不安になるものです。

大学の授業という事で、プライバシーの保護という点から、学生さんのオーディオはもちろん、ビデオもオフ。

反応が見えない.…

YouTobe動画も交えながら、どうやったら飽きの来ない授業にできるのか?伝えなくちゃ!と気をつけて熱を入れて話すのですが、ふっと素に戻る瞬間。だんだん頭の中がグルグルとなる一番恐ろしい瞬間がやってきます()

もちろん台本的なものは用意してますので、迷子にはならずに済んでますが。

受講した方はどうだったのかな。。

と思っていたところへ

今日、早速学生さんたちの講義の感想をいただきました。

その中から抜粋してご紹介します。

イタリアの本物のバルサミコ酢について知ることができて良かった。

こんなに手間のかかるものだとは知らなかった。伝統的製法のバルサミコ酢は時間も手間もかかり、一般的に販売されているものとは違うということを初めて知った。

イタリアのどこでも作れるというわけではなく、ごく狭い地域でしか作れないということを初めて知った。

イタリアのエミリア・ロマーニャ州それも、モデナ、レッジョエミリア、ボローニャの端っこでしか作られていない伝統的なバルサミコ酢

白葡萄から作られるものということに驚いた。

トレッビアーノという白ブドウが一番バルサミコ酢醸造に向いていると言われています。

何十年もかけて作るバルサミコ酢、一度味わってみたい

一度イタリアに行って見てみたい

味噌や醤油同様、気候風土が関係する発酵食品の面白さを感じた。

質問もありましたので、ここでお答えしようと思います

質問

同じバルサミコ酢を作る蔵によって常在菌が異なると思うのですが、味が違うのですか?

答え

はい、違います。鑑定士として、何種類ものアチェタイア(バルサミコ酢の醸造蔵)のバルサミコ酢を鑑定する機会がありますが、微妙に違い一つとして同じ味になっているものはありません。

1000サンプルほどここにありますが、全て味が違います。

質問

種類の違う木樽を使って作るということですが、樽の配列など決まりがありますか?

答え

いいえ特に決まりはありません。なので、各醸造所によって木の樽の種類は自由に決めることができます。なので、樽のセットによっても味が違います。

我が家では漏れの少ない西洋オーク材と栗など材質の硬い樽を主に使用しています。2番目に大きな樽40Lに変化をつけて桜、アカシア、桑などをを入れています。

質問 伝統的なバルサミコ酢は栄養成分も優れていそうですがどうですか?

答え 抗酸化作用があるポリフェノールがたくさん含まれています。また酸味は酢酸だけでなく、クエン酸、りんご酸、乳酸、酒石酸、など沢山の有機酸が含まれており、有機酸の身体への疲労回復や抗ストレスなどにも効果があると言われています。

モデナではその昔、バルサミコ酢の効用について

「死人も起き上がる」と言われ薬屋で高価に売られていたことも

希少性、芳香と複雑な味のバルサミコ酢。死人が起き上がることはないにせよ、昔からカリスマ性がある特別なお酢であった事は間違いないでしょう。

アンケート、感想を書いて下さった学生の皆さん、そして、早々にまとめて下さった担当の平口先生ありがとうございました。

イタリアでまた日本で皆さんにお会いできる日を楽しみにしています。

YouTobeチャンネル「Akane in balsamicland」ではバルサミコ酢醸造や、モデナの食文化などをご紹介しています。ぜひみて見てくださいね。