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醸造室の大事な条件それは…
真冬に見学に来られた方には、ずいぶん寒いんですね!逆に真夏に来られた方には、ずいぶん暑いんですね!とおっしゃる方が多いバルサミコ酢の醸造室。
バルサミコ酢の醸造室の条件ご存知でしょうか?年間を通し、一定温度を保つワインの醸造室とは、全く異なる条件に見学にいらした皆さん驚かれるのです。
これが何を置いても重要なのが寒暖の差。夏の暑さと冬の寒さが一番あるところが望ましいとされ、建物の中でその差が一番大きい場所、つまり屋根裏部屋であることが重要である。と言われています。

お酢の醸造には酢酸菌が働きやすい状態を作ってあげる事。酢酸菌は暖かくないと働かないので、夏の暑さが必要です。
暖かくなってくる時期酢酸菌が活発に働いている醸造室は扉を開けた瞬間、香りに圧倒されます。扉の外に向かって飛び出してくるイメージといったら良いでしょうか?

逆に寒くなる時期、お酢は眠る時期に入ります。酢酸菌が働かなくなる寒い冬の間、樽の底に澱を沈殿させ透明感、光沢のあるバルサミコ酢を造るのです。なので、冬の寒さもとても大切。夏に比べて圧倒させられるような香りを感じることはなく、眠っているという表現がしっくりくるそんな雰囲気です。
こんな暑さ、寒さを超え、何年も季節がめぐるとため息が出るような色と光沢と香りが生まれます。
そんなわけで、我が家の醸造室の屋根も、壁も断熱材が入っていないので、酢酸菌が住みやすい環境。屋根の梁も昔ながらの木製。空気中にも酢酸菌は浮遊していると言いますから、醸造室の天井には、我が家の古い古いバルサミコ酢の菌と、新しい樽の菌はきっと共存しているのでしょう。
私たち醸造家は葡萄の作業と合わせて、菌たちの住みやすい環境を整えるのが仕事。それは掃除や、窓の開け閉めで空気の流れを作る事、眠りにつきやすいように雨戸を取り付ける事、酢酸が目覚め始める春、新しいモストコットを足したり。敏感に感じる事が必要です。それを代々に渡り続けることが伝統的バルサミコ酢造りの真髄です。
そんなわけで、バルサミコ酢の醸造室を見学の際は、脱ぎ着のしやすい衣服でいらして下さいね。
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