あっという間に11月も半分近く過ぎ
秋がどんどん深まるモデナ
今年は雨が少ないせいか、葡萄の葉も色鮮やかに紅葉中
9月の葡萄作業を終えて、ゆっくりとアルコール発酵をしていたモストコットは種酢を入れて発酵を止め、春までゆっくり寝かせます。
アルコール発酵では香りや風味が生まれ、同じ葡萄からこんなに味が変化するのかと毎年感心することしきり。春になるとまたこの味の深みが増していくというのも微生物のなせる神秘の世界。
葡萄が落ち着いた頃から、秋はなんだかバタバタ。ワクチン接種が行き渡り、ワクチンパスポート義務ができ,コロナ以前と同じ頻度でイタリア国内の和食料理教室の仕事が復帰し始めたり、家族の用事で移動が多かったため、Googleマップから送られてきた移動状況を見てびっくり。
いやーよく移動しました。その中でもすごく印象的だった、イタリア最も美しい村の一つに登録されているボッビオはイタリア好きWeb通信に記事にしていますので、是非ご覧になってください。

先週は母校の東京家政学院大学の管理栄養士専攻の学生さんに、栄養学の一環、キャリア支援科目の中の海外専門研修の授業を担当しました。
2020年の3月にイタリアでお会いする予定でしたが、コロナ第一派の真っ最中で残念ながらキャンセル。オンラインで是非とお話をいただき今回講義をさせていただきました。
内容としては
1 、イタリアの現状
2 、イタリアでの暮らし(食文化・気候・制度など)
3 、これまでの人生経験
4 、学生時代に学んでおくべきこと
私のやってきたこと、現在している仕事について、
エミリア ロマーニャ州の風土、食文化からバルサミコ酢の醸造について、海外生活に必要な事は?と言うテーマでお話ししました。
実際受講してくださった学生の頃はイタリア語は一言も知らず、きっと国家試験を受けて、管理栄養士になって日本で仕事するんだろうなと漠然と思っていましたが、まさか、イタリアでバルサミコ酢を醸造し、イタリアの生活を母校の後輩の皆さんにオンラインで授業するなんて夢にも思わず。人生とは不思議なものです。
とっても真面目でおとなしい学生さんたち、担当の先生も、「皆さん、『たなぼた』はないのよ。」とおっしゃってましたが、本当にそうだと思います。やりたい事がもしなくても、色んなものに興味を持って、一生懸命やって欲しい。人生何一つ無駄はなし!というのが自論。実際、大学で勉強した事が、こんなにバルサミコ酢造りに役に立つとは思っていませんでしたし、20代で趣味、好きでやっていたこと、半ば強制的にやらされた事が20年ちょっと経った今、全てが生きてきていると感じています。
さあまだまだ私も新しいことを広げるには、興味を持って色々やらなくては!と授業を終えてから、ちょっと忙しかったことを理由に気合いがちょっぴり抜けている自分に言い聞かせたのでした。