バルサミコ酢品評会に向けての鑑定が今年も開始。2021年は第55回目の品評会。

第51回の品評会当日の舞台

私は日本人で唯一のA級の鑑定士だけれど、鑑定士で続けるためには、年間にある程度の数の鑑定しなくてはいけない。

マスタークラスを目指しているので、試験資格が出来るまでの3年間は最低でも年間60本のサンプルを鑑定が義務付けられている。

通常1000を超えるサンプルが集まる

コロナ禍で鑑定会はできないので去年から、試験管に入ったサンプルが番号を振られ自宅に届き、鑑定。

鑑定会であればだったら6人、私がテーブルについて、一点のサンプルについて、まず個人で鑑定を行い、その後そのテーブルで再審査をしますが、1人の場合はずっと黙々と鑑定をするだけ。時間的には会場に行く手間もないし好きな空き時間にできるわけで、議論しなくても済む。安定した点数もコンピューターに入力すれば完了

1本のサンプルにつきデータ入力まで大体20分弱で鑑定できるのだけど、集中して行う条件を作っていくのは結構難しい。

もちろんある程度の期間が空きすぎると間程度の感覚とは鈍ってくるし、点数にばらつきが出てくる。

それを防止するために、まずバッファーサンプルが送られてきて、それについて鑑定を行い、データを入力をした後どのぐらい自分に誤差があるのかというのがデータ化して届くなかなかよくできたシステムで、自分の鑑定で誤差が生じた部分を認識できる。(約30点ほど鑑定しました。)

今回送られてきた品評会の第一段階の鑑定のサンプルが先日届き、1ヶ月で31点のサンプル。

ただ孤独なんですよね。

やっぱり仲間の鑑定士といろいろなことを喋りながら家で頭入れて議論すると言うのもすごく面白いし、その場で鑑定の強さが実感できると言うのはとてもプラスになる。まそんな事をぼやきながら、今日も5つのサンプルを鑑定

お酢だけに、一度にそんなにたくさんのサンプルを鑑定することができず、サンプルによっては舌が麻痺するほど酸味が強いものもあって、水やクラッカーを口に含みながら鑑定します。

市場に出していない個人所有の伝統的製法のバルサミコ酢が大半を占めますから、作り手の事を考えると、適当に評価は下せない。バッファーサンプルより時間をかけて鑑定しています。

そんなわけで、今月いっぱいは第一次審査のサンプルを。これがあんまりなレベルなものが続くと、どんどん点数が辛くなる傾向があるので、注意しながら…。

来月になれば、第二次、第三次、そして決勝サンプルまで鑑定をしていきます。これは本当に面白いので楽しみです!

コメントを残す

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。