ここ10年ばかり我が家で栽培しているぶどうを使ってモストコットを作る時期に、天然酵母を起こしている。というのもパンに使われる天然酵母は、ぶどうの皮の表面に常在しているサッカロミセスと言う酵母と同種で、ワイン醸造でもバルサミコ酢醸造でも同じ酵母が働いている。
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天然酵母を起こすと言う事は、なんだかとっても難しいように思われているけれど、サッカロミセスを生き物と考えて、育てるために環境を整えて、餌をあげれば元気な酵母がたくさん育ってくれる。

酵母サッカロミセスがついているか、ついていないか見極めるのは簡単。葡萄が白っぽく見えるこれが酵母だ。

酵母は自然界に沢山存在している。先にも書いたけれどサッカロミセスはぶどうの外側に付いているのでぶどうの収穫は雨が降っては収穫できないと言うのもせっかくの酵母が流れて落ちてしまうから。という事は天然酵母を起こすぶどうは洗浄しない。そのためぶどうは農薬や排気ガスをたくさん浴びたようなものはもちろん、使わない方がいいだろう。

我が家の葡萄畑は、Bio栽培で、畑の周りの牧草地もBio栽培、畑の一番近くの道は農道で近隣に民家もない。というそんな環境だから、ぶどうも安心してバルサミコ酢、ワイン、パン作りの酵母に使える。

ワイン作りが盛んになる9月から10月。葡萄畑や、ワイナリーがたくさんあるモデナの田舎では、天然酵母が空気中にものすごく浮遊しているらしく、同じ条件で作っているはずなのに、パンの発酵が異常に早くなって、出来上がるパンの気泡の大きさもびっくりするほど大きい。新月に向かう時期より、満月に向かう時期の方がずっと発酵が早いとか科学では証明されていないようなことも起こる。酵母は生き物なんだなと思う。

そんな酵母の性質を知るためにも私にとって天然酵母を使ったパン作りは、バルサミコ酢造りに大いに貢献してくれている。もちろん美味しいパンを食べられるという美味しいオマケ付き。

そんな天然酵母起こしの動画を、今週は紹介したい。

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