1,ブドウをモストにする圧搾作業
モスト(mosto)とは何か。
ブドウの絞り汁いわゆるブドウジュースのことだけれど,なぜジュース(succo)とは呼ばないのかと不思議に思って
イタリア語の国語辞典を引いてみると,
「モストは果実の液でその後アルコール発酵させる液をモストと呼ぶ。」
という明確な記述があり、
さすがワイン文化の国だなと改めて思った。
このモスト収穫してすぐのブドウ潰して,
圧搾し、鍋に入れ
翌日モストコットを作る準備をする。
そのためモストを絞る作業は、
バルサミコ酢醸造のはじめの一歩
一つ目の味の決め手になる作業だ。
質の良い葡萄があることは
大前提だけれど,
圧搾作業も大事な工程。
伝統的なバルサミコ酢醸造に一番向いているのは
トレッビアーノという白葡萄。
我が家で栽培しているのも
トレッビアーノモデネーゼという
地元品種の葡萄。

黒いバルサミコ酢が白いブドウでできている
と聞くと皆さん一様に驚く。
なぜTrebbianoなのか?
Trebbianoが持つ
「糖と酸のバランス」
が1番の理由。
私自身、トレッビアーノと,
赤い葡萄とランブルスコの葡萄を
そのまま食べてみたときに
甘味と酸味のバランスが良い、
バルサミコ酢の将来像が想像しやすいのが
トレッビアーノで,
個人的にも好きな味。
科学的に見ても、
果汁を加熱して濃縮し、
長い年月をかけて熟成させることで、
糖の甘味と酸の豊かな余韻が生まれやすいという
研究結果もある。
一方、
モデナの伝統品種ランブルスコなどの
赤ブドウは、白ブドウと比較すると
果皮にアントシアニンやタンニン
フェノール類を多く含み
これらはワインでは
色や複雑な風味を生み出す重要な成分だけれど、
バルサミコ酢では必ずしも多いことが
プラスになるわけではない。

逆に苦味が凝縮しすぎたりする場合もあるため
バルサミコ酢では
濃縮可能なモストの糖・酸と長期熟成との相性が
重要と言えば良いだろうか。
葡萄を圧搾する時も注意が必要だ。
我が家では,半潰しにした葡萄を
圧搾機に入れてすぐに圧力をかけることはしない。
ブドウの重みでまずはモスト(ぶどう液)をじんわり取り出す。

優しく圧搾するのは果汁中心のモスト(ぶどう液)の
いわゆる一番搾りを絞ることが目的。
もし強く圧搾して
種子まで破砕してしまうと
種子成分のカテキン、プロアントシアニジンなどが増え
苦味・渋味が増えるという違いが出るので,
最終的に圧力もそこまでかけない
一番搾りのモストを使うというのはそういうわけがある。
搾りたてのモストは飲んでみると
苦味・渋味を抑えながら
ブドウの成分を最大限に引き出された、
滑らかで甘くてほどよい酸味のある
モスト,いや,ここではアルコール発酵させないから
美味しい葡萄ジュースで、モデナの秋の味がした。
秋のバルサミコ酢醸造室の


