2023年の出荷のために、バルサミコ酢の抽出と、瓶詰め、梱包を始めました。

バルサミコ酢の抽出作業は一年に一回のみ。寒い時期に抽出をします。なぜ寒い時期なのか?
それは、14度以下では酢酸菌は活動できず、休んでいる状態。酢酸菌が活動していた時にできたオリが樽の底へ沈み、透明度の高い液体が取り出せるのです。

全ての樽から液体をとるわけではありません。大きさと材質が異なる大小5つの樽をワンセットにした一番小さな15L樽から、6、5%の1L弱の液体を取り出していきます。これは本当に少量ですが、15年という熟成期間は伝統的製法のバルサミコ酢としてはまだまだ進化の過程。

去年出荷した、14年熟成と比べると、一段、香り、味、粘性共に変化が出て、一年の時の流れの凄さを感じます。できれば、去年、一昨年のバルサミコ酢と比べて楽しんでいただきたい。との願いを込めて、年数を記載しています。

また、250年以上の時を経た樽の中で熟成を続けている家宝バルサミコ酢を今年もリセルバとして8本日本に送ります。
このバルサミコ酢は別格。このバルサミコ酢に近づけることができるのは、時の流れだけ。私が生きている間にどれだけ、今15年経ったものが近づけるのか、目標にしているバルサミコ酢。
我が家に見学に来てくださった方には、味見をしていただいておりますが、皆さん言葉が出なくなるくらい感動してくださるバルサミコ酢です。

こちらの容器はフォルニ家の家紋を、陶芸家の林由紀子さんにタラーニョの容器に絵付をしてもらいました。陶芸家としての作品の作製のお仕事の他に、居住地であるマルケ州の魅力を色々紹介している彼女。日本人のアテンダントのお仕事や、地域の食文化を守るアソシエーションの活動をしたり、はたまた日本の大学の通信講座の非常勤講師を務めたり、まあ大変忙しい中、12月に日本への帰国直前に仕上げていただき、彼女が日本へ帰国する前日夜、空港近くのホテルで落ち合って受け渡ししてもらいました。
http://www.collinediraffaello.it/
デザインは我が家のフォルニ家の家紋。星が三つ、中心に黄色い菱形が並び、バックが青地。これはモデナの街の紋章もこの黄色と青。1600年代に作られた陶器の紋章を参考にして絵付をしてもらっています。

タラーニョ容器は轆轤師のエンニョさんに一つ一つ轆轤でひいてもらっています。
こういう小さな容器を轆轤でひく技術がある職人さんはとても少なくなっており、由紀子さんに色々当たってもらった上、口の部分のくびれも漏れが出ない様な細かな注文をつけてひいてもらったものなのです。その素焼きの容器に一つ一つに絵付をしてもらっています。一見の価値があるボトルですので、店頭に足をお運びください。
日本での販売は、ダローマさん 新宿伊勢丹B1階の常設ストアほか、

オンライン販売や、デパートでのイベントなど2月に入ってからから、扱っていただく予定でおりますので、どうぞよろしくお願いいたします。