秋も深まって、薪ストーブに火を入れる日が多くなった11月のある日に養蜂の師匠から電話が。
「家にいる?今からウンデーチマ(1/10 一割と言ったほうがいいかな?)持ってくから」
「???」意味がよくわからなかったけど、とりあえず、玄関の扉を開けて待っていると、迷彩色の上下の師匠が車でやってきて、
「処理しなきゃならないけど良いよね?」とトランクから出したのはまだ温かい野うさぎ!
どう見ても3kg近くありそうなのを、「はい」と耳を持って手渡しされてしまった。
そうだった、去年の今頃獲物が多すぎる時はいつでも喜んで、引き取りますよ。って言っといたんだった!→その話はこちらからその話はこちらから
しげしげと眺めてから
「えーっとどこから皮剥いだら一番楽?コツありますか?」と聞いたら、「じゃ、手伝ってあげるよ。ナイフ持ってきて。あ、そこにある手押し車に段ボールでも引いてやると後処理が楽だから。と言われて、庭先で早速解体作業。
ここからは私の覚書的な解体作業の話なので、苦手な人は読まないでください。
背中をつまんで真ん中からざっくり毛皮部分に切り込みを入れて、洋服を脱がすような感じで、ところどころ肉との間に切り込みを入れながら、手早く剥いで、食道を喉あたりで切断し、お腹の下の辺りから内臓を一気に引き出してレバーと、心臓は食べられるので、避けておいて一気に終了。右腿に散弾銃が何発も入った様で、骨が砕けて、血が溜まっているのを見ると、そこが致命傷か。
猟師的には一番可食部が多い腿を撃ち抜いたのは不本意らしく、「あーせっかくの腿肉が台無し!とちょっと残念そうな師匠。「この血の塊は、流水につけて、1時間くらい気長に洗い流して、それから食べたほうがいいよ。貰ってくれてありがとう!じゃ!」と颯爽と帰って行った。
「猪とか、鹿とか、雉とか食べきれない時はいつでも引き取るからねー」と後ろ姿に叫ぶのを忘れない私と解体作業には一切参加しないけど食べるのは大歓迎な夫。
さて、しっかり流水で流したあと、香草類、白ワイン、ワインビネガーにマリネすること3日間。24時間煮込んで、野うさぎの煮込みを作り、ポレンタと一緒に堪能しました。
と、それから1週間、庭仕事をしていると、
また雉を2羽持った師匠が!
はい!と脚持たされて、

またまた「助かったよー」と帰って行く師匠。
狩猟も毎週となれば、
「毎回毎回大変でしょ!冷凍庫も一杯よ!」
と奥さんに文句言われてる可能性高いよね。。。
またまた去っていく師匠の背中に
「本当いつでも持ってきてー、喜んで貰うからー」
と手を振る私と夫。
雉は解体できるので、熱湯につけて羽根をむしって、今回は和に
雉鍋と、雉団子。
なかなか乙な味。
不思議なもので、解体から始めると、命を戴くという事をダイレクトに感じて、全ての肉を無駄にするべきではない。という気持ちがものすごく強くなるのです。外した骨はスープストックにして、内臓は味の深みを出す為に使い本当に全て無駄なく使い切りました。

スーパーでパックになっているお肉と異なり、しっかりとした歯応えのしっかりとした味。
9歳男子は、
「雉の脚ちょうだい!恐竜の末裔の脚だから学校に持ってく!」
と騒いでおりましたが、流石に断念してもらいました。
ヴェロキラプトルの脚。感じ確かに似てます。
食べる状態に持っていくのも労力が必要だけれど、今の季節の味を堪能しました。
と過去形で書いたけど、また来週もきたりして…
今度は1人で解体するのかな…
頑張ります…