バルサミコ酢の作業は、最終製品を樽から取り出した後から、少しづつ増えてくる。

冬を終え、日に日に暖かくなってくるこの時期、霧はなくなり、いい天気が続くと醸造室の空気の入れ替えを始め樽の手入れをしたり、コキューメ(樽の蓋の部分)にかかっている布を変えたり、移し替え作業を少しづつしてゆく。
暖かくなってくると、冬眠から目覚めるように、樽の中の酢酸菌をはじめとする微生物が起き出してくる感じがするのである。まさに醸造室の啓蟄。
残念ながら微生物が動き出すのは見えないけれど、格段に醸造室の香りが高くなって、醸造室の扉を開けると「あー動いているな」と感じるから不思議なものである。
醸造室の作業を始めた頃、久しぶりにお客様が見えた。
ミラノの大学に留学されている50代の方でで、英語は堪能だけれども、イタリア語でお料理教室や、醸造室見学をするのは難しいと考えていらっしゃったらしく、ネットで調べられて、私に行き当たったとのことだった。母国語の日本語で化学的なことから、歴史的なこと、細かい事を聞けるのと、一緒にモデナの郷土料理を作り、作我が家の家族と食卓を共にしたのはとても楽しくて、気分転換になりました。とお話しされていたのが印象的。


私も随分久しぶりのお客様で、様々な経験されて、私のやっている事とリンクすることも多かったので、色々なお話を聞かせて頂いて、私のモチベーションも上がり、新しい人との出会の大切さを再認識できた1日でした。
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