トルテッリーニをご存知ですか?
モデナの郷土料理の中で一番に出てくるお料理で、極小のパスタ生地(3cm角)にギューっとモデナの特産物を詰め込んだようなパスタ料理で、主に贅沢にとった肉のスープストックでさっと茹でて食べるハレの日のお料理。
今となっては、レストランに行けばいつでもあるし、スーパーに行けばパウチパックに入ったパスタメーカーのものが、冷蔵コーナーに並んでいるのを見たことがある方も多いでしょう。が、パスタ生地そしてフィリングの材料に吟味に吟味を凝らしたトルテッリーニは歯応えはもちろん、全く美味しさが異なります。
各家庭でレシピは色々ですが、生ハム、パルミジャーノレッジャーノチーズは産地だけあって、エミリア地方では絶対外せない材料。その他豚肉、仔牛、鶏肉、の配合比モルタデッラ、生ソーセージを入れる入れない、火を通す火を通さないなどなど100軒あれば、100のレシピがあり、各地域家庭で微妙に型が違ったり(あまりに微妙すぎて、初心者にはほとんど判別不能)。小さければ小さいほど良いなんて言う方もいます。
舅が子供の頃には、結婚式か、クリスマスもしくはイースターくらいにしか食べることがないような特別なもの。特別な日のトルテッリーニ作りは親戚一同女性たちが集まってワイワイと作る作るところからお祝いの雰囲気が出ていて、とても好ましい光景だったそう。
今ではずいぶんその風習も薄れており、近所の名人に作ってもらう、スーパーの惣菜コーナーに並ぶ、手作りトルテッリーニを購入する人も増えていますが、クリスマス直前の週末にはおばあちゃんが中心となって、家族みんなでトルテッリーニ作りというご家庭ももちろん残っています。
我が家といえば、数いるモデナ出身の親戚一同作る人は皆無。幼少の頃は乳母や、コックさんが作ってくれていたそうですが、今は皆、名人頼み。そんなわけで、私は10年近く前、地元の教会の婦人会の皆さんのトルテッリーニ作りに混ぜてもらってから、毎年作るようになりました。粉は取材でもお世話になったガスパリ製粉所のパスタ生地専用粉
豚、鳥、仔牛はたっぷりのバターで炒めて、パルミジャーノレッジャーノ チーズはレジャーニさんのチーズ工場のBioパルミジャーノレッジャーノ チーズ36ヶ月を使い、切り立ての生ハムは先日近所の生ハム工場で購入してきたパルマ24ヶ月、ミンサーで2度挽きして卵を混ぜて味を整えて、包み方開始。手を伸ばして、生のトルテッリーニをパクっと味見にくる家族。息子など10個くらいそのまま食べちゃった。でもこれ普通のこと。モデナの人は作っているのを見ると絶対に味見しにこれをやります。

今回は主人の義妹宅で義理の両親と過ごすので、仕込む量も膨大。
中身を作って、二日に分けて包み終えるまで、合計作業時間7時間ほど。850個包みあげました。これを丸一日乾燥させ、冷凍庫で保管。あとは去勢鶏でしっかりスープストックを作って、食べる直前にスープの中で茹でて食卓で、たっぷりパルミジャーノレッジャーノ チーズをかけていただきます。
お正月まで、3〜4回は食べられるかな?
包み方が気になる方は動画でどうぞ。
ともかく時間も労力も使いますが、こだわって作ったトルテッリーニの美味しさは格別。体力気力とも充実していないとできないこともあり、私は心の中で修行と呼んでいます。この後に続くであろう、大量のクリスマス料理準備の心の準備になります。コロナで自粛中ですが、一時期は、親戚30名がうちにやってくるなんてこともありました。
余談ですが、この数になれると大抵の粉物はなんのその。え、ラビオリを10人前はいはい、え、肉まん25個?いいよ。餃子50個、焼き、水、揚げ3種類やろうか?ってな具合です。
トルテッリーニ作りが終わるとクリスマスももう間近。
皆さんも良いクリスマスをお迎えください。
“恒例クリスマス前修行 トルテッリーニ作り” への1件のコメント
[…] がこれがなかなか終わらなかったのである。クリスマス料理準備を延々としていた私は指紋採取センサーが指の湿り気が全くなくて反応しない。係員にアルコール液を塗られ、ぎゅーぎゅー押し付けられても、指紋が写り込まない。これならインクのほうが良かったかもなんて2人で軽口を叩きながらなんとか終了。案外今回の穴は手荒れのケアだったのか?! […]