以前にも書きましたが、イタリアの夏休みは長い…小中学校は6月2週目から9月2週目までがお休みで、大人もその間3〜4週間のバカンスをとるのが常です。
そんなわけで、どこに行くか、どうやって過ごすかが夏の最大の関心ごとになるのです。
コロナ禍ではあまりにも行動が制限されたため、ワクチンが行き渡り始めた今年の夏こそは!と計画をする人も多い今年。

通常なら海外旅行に!という友人も多いのだけれど、国境を越えるとなると、急に規制が変更されて、現地で足止め、もしくはイタリアに帰国後隔離義務がある可能性もあるとなるとリスクが高くなりすぎる。急に感染爆発となって、旅行を取りやめにしなければならないなんてことも困る。

我が友人たちも同じく、コロナ中の人と会うことに飢えている。
散々オンライン飲み会はやったけど、物足りない!会いたい!何よりコロナの心配なく子供達を遊ばせたい!というわけで、主人の大学時代の友人10家族大盛り上がりで、2月から大人子供42人が過ごせるロケーションを探し回りトスカーナ州のサンミニアートの近くに、あるボルゴ(集落)がバカンスの家として貸し出されているのを見つけ、早々に予約を入れたのでした。滞在したボルゴブッチャーノ
現在のイタリアはコロナ感染数が減ったとはいえ、デルタ株など予断を許しません。集団感染なんてことになるのは困るので、大人はワクチン接種、子供たちは到着48時間以内にPCR検査をすることを条件という取り決めをして、全員陰性を確認していざ。
遠くはドイツ、ミラノ、トリノ、モデナから総勢42人が集まったのでした。
1週間の滞在。問題は食事。あまりに人数が多いので、3食食べるとなると、用意する人はバカンスどころではない。大変なことになるのは火を見るよりも明らか。レストランに行くのも人数が多すぎて無理。方々探してみたけれど、一度OKしてくれシェフは、行動制限が緩和されてから、仕事に追われて、キャンセル。一度暗礁に乗り上げるも、ケータリングを主にしている知り合いのシェフを口説いて、夫婦で来てもらうことに。キッチンはボルゴ内にあるイベント用の業務用キッチンを借り切り、初日の買い物は大きなショッピングカート6台分。基本調味料から揃えるわけだから凄まじい量。
2l水のボトルが1日に40本ほど消費されてましたから、別途アルコールと飲料買い出し班を増設するほどでした。
子供たちは2〜15歳22人。敷地内には大きなプールがあり、全て植え込みで覆われているので、不法侵入者や、車などに気を使うこともなく、うちの子たち13、8歳は朝8時ごろ部屋を出て、夜の11時まで遊びっぱなし。
近隣の名所に行くグループに参加するのもよし、残って遊ぶもよし。大きな子たちは小さな子たちの面倒を見ながら、食事も子供達の専用テーブルで実に楽しそう。女の子、男の子グループに分かれ、毎日の配膳や後片付けもよく手伝ってくれました。
これだけの人数になると、大人の専門性も多彩。
ヴィンチ村のレオナルドダビンチ博物館に行くと、子供達に各々の専門分野を説明。歴史、建築、美術、技術者、解剖学(獣医さんがいる)全ての専門家がたまたま揃っていたので、この原理は今でもこんなものに応用されているんだよ、などなどプラスアルファの説明が下手なガイドを雇うよりも魅力的で素晴らしい。

音楽好きの友人はバカンス中全てのバックグラウンドミュージックをオーガナイズ。大きなスピーカーを計4台も持ってきており、プール、アペリティーボ、食事、食後の子供達のカラオケ企画や、ギター演奏も。

私はもちろん、食事のそう責任者。シェフと食事のオーガナイズ。買い物や、みんなのリクエストをまとめて、メニューを決めたり、土地の特産物を買い集めてアペリティーボを企画しておりました。

元々同じ大学の同じアパートのフラットに住んでいた主人の友人達10人。そこに結婚して子供ができて大人数になっても変わらない友人関係。奥さんの国籍もイタリアのみならず、フィンランド、フランス、ドイツ、チェコスロバキア、日本、ブラジル、イギリスなど国際色豊か。
大人は夜7時のアペリティーボから始まり、夜中まで語り明かしました。
最終的にどんなバカンスだったか?大人の満足はもちろん、どこの子供も
こんな友達がいるって幸せ!
みんなのこと大好き!
来年はどこ行くの?
などなど本当に楽しかったようで、来年もリピートになりそうな予感です。

大人数の怒涛のバカンス。
全力で遊んだので、これから頑張って仕事します。