初夏の気持ちの良い午後、さくらんぼを採りました。モデナはバルサミコ酢だけでなく、様々な果物の生産地。中でもさくらんぼは量、質共にイタリア一を誇ります。我が家でも自家用に育てていますが、今年は事に良い出来でした。

周囲の牧草地は数日前に刈られて、牧草ロールになり、視界が広がったように感じます。

8年ほど前。クリスマス用のカッポーネ(去勢鶏)を秋口からクリスマスまで飼う場所を貸している近所のおじさんに、

「通年通して鶏がいたら卵が採れるのになんで飼わないのですか?」と聞くと

「葡萄畑の端には日陰がないから、冬は日当たりが良くて良いけど、夏飼うのは暑すぎるからね。」と言う。

だったら植えればいいよね。桜の木を沢山植えたら、お花見ができるよ!と主人。

すっかり日本で呼ばれたお花見が気に入ったようなのです。

早速、娘の同級生の園芸店で苗木を見に行った。が、

高い!

もう木になっているようなものは予算より0が一桁多いのです。

葡萄畑の端の全長は200m以上あるのだ。どう考えても10本は欲しい。だったら、果物農家がやるように、1年目の接木を買って、2年くらい植木鉢で育てたら良いわよ。価格も110以下だし。と教えてもらい、途中で枯れてしまう事を考慮して、4種類4本づつ時期を変えて実がなるはずと目論みのもと16本購入。

植木鉢に植え替えて、散水システムを作り、2年育てて、葡萄畑の横に植え替えた。もちろん、かなり深い穴を掘る必要があるから、葡萄畑の重機を借りて植えました。

植え付けられたのは14本。これで立派な桜並木ができる。春には花見、初夏には大量のさくらんぼと取らぬ狸の皮算用。

が、そんな12年で実がならない。桃栗三年柿八年。一体いつからさくらは実をつけるのでしょう?せっかくできた数粒のさくらんぼは、すぐ小鳥に食べられてしまう。そんな年が続きました。不思議なことに、樹勢のあるものは実がならず、樹勢がないものの方が実がなり始めたのが数年前から。今年初めて大きく成長した木にも実がなり始めたのでした。

もちろん我が家のミツバチ達がせっせと受粉してくれているわけですから、味も良い。

大きな大きなさくらんぼ。味はアメリカンチェリーとサトウニシキの間というところでしょうか?

小さな頃から6月になると母の山形のお友達から立派なサトウニシキが送られてきて、あんまり美味しいので、あっという間になくなってしまい。あゝ、独り占めしたい!と思っていた子供の頃。

イタリアに来て念願かない、収穫しながら心ゆくまで食べたら、お腹が痛くなりました。ほどほどの方がいいようです。皆さんもお気を付けて。

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