妹が2007年の4月21日に日本で結婚し、新婚旅行はゴールデンウィークを含めて有給を取り、留学先だったドイツを中心にヨーロッパを巡るという。だったらそれに合わせて結婚しちゃえば、丁度いいじゃないか!と日にちの設定をした。冗談のようだが、実際そんな感じで決めたのである。
驚いたのは両親で、こんな短期間に娘が2人結婚するなんて聞いたことがないと言って驚き、父など、紋付袴を2人の娘のために4月20日から5月10日までレンタルしっぱなし。という事態が発生したのである。
日本の親戚が妹の結婚式で一堂に会したが、唯一腰が痛くて長距離移動は無理と結婚式に参加しなかった、東北に住む母方の祖母には私とマックスで会いに行った。
この祖母は一般的なおばあちゃんとは違い、ベタベタ可愛がるようなおばあちゃんではなく、やるべき事はやる、筋の通った、ぐずぐずしているのが大嫌いな、私の大好きなタイプの人である。
うちのマックスを連れて行っても驚くこともなく、いったって普通。イタリアでは1番年齢の高い女性の主人は、1番尊重されるべきとされている。特に彼が育った環境は、おばあさんが同席の時は家族全員が食卓に座る時、おばあさんが座るまで、直立不動で椅子の横に立ち、食卓についてはならない。
お客が先に座る。男性が先という教育を受けた祖母にこれは感激だったらしく、照れたり慌てたりしたところなど見た事ないのだが、食卓に祖母が座るまでビシーっと起立して待っているマックスを見て少々慌てながら
「まあまあそれは、それはご丁寧に。うちの男性陣も少し見らわせないと」と照れて座っていた。
そんな祖母に
「あかね、結婚の秘訣は相手に期待しない事。色々大変だろうけれど、やってもらおうなんて思わず、全て自分でやると思っていれば間違いないから。頑張ってやらい!」
と気合の入ったお言葉を頂いたのである。
同じ時期に結婚した妹にはこういう事は言わなかったそうなので、異国に嫁ぐのは大変と思われた様。
今年100歳で健在だが、骨折をして車椅子になってからはこういう、気合の入ったコメントをしてくれないのは残念である。
妹の結婚式は、京都。すぐその足で新婚旅行へと旅立っていった。もちろん私たちも結婚式最後の準備にイタリアへ
両親、従姉妹、友人の一行が5月1日にイタリア入り
メーデーにイタリアに着いては絶対にいけない。
ミラノマルペンサ空港から直行する電車の駅、カドルナの駅はショーペロ(スト)で近年、見たことがないくらいごった返していた。地下鉄を始めトラムバスが18時以降運休。日本から持ってきてもらう様に頼んでいた結婚式で配るちょっとした引き出物を始め日本から様々なものを持ってきてもらったので、皆大量の荷物である。
タクシー乗り場は長蛇の列。平気で私たちの前に横入りするイタリア人。
ここでもまたものすごい剣幕でイタリア語で叫ぶ私。黙ってたらいつまで経ってもタクシーなんかに乗れやしない。
親族を2台のタクシーに押し込み、行先を伝え、メーターを確認させて、一路ミラノの家へ。親戚一同このとんでもない状況の中、
「あゝなんてたくましいんだ。自分は絶対無理だけど、これならあかねはイタリアで生きていかれる。と安心した。」と後日各々が語っているため、何が功を奏すのかわからないものである。