毎年2月から葡萄の剪定を始めます。本格的な春が始まる前までに終わらせなければならない大事な作業です。
なぜ剪定をするのか?
樹勢をよくする
実つきを良くする
木の病気等のチェック
という目的があります。
やたらめったら切るのではなく、主枝から出ている枝の芽をどのくらい残すのかは、前年の収穫量や、葡萄の木の状態を見ながら剪定の方法を選択します。
ちょうど2種類の剪定方法をしていたので、せっかくなので図解します。
こちらは新芽を3つ残して剪定しておく方法 (短梢剪定)
樹勢を整えるために行います
こちらはもっと長く7〜9芽残して剪定する方法 (長梢剪定)
木の状態がいいので、今年はもう少し実をならせようという事で長めに残して、上に伸ばしっぱなしにすると枝や葉っぱばかり繁るので、下に枝先を誘引します。こうすることで、実がなった時に負担がかかりすぎないようにする効果もあります。
こんなふうに木の状態から秋にちゃんと収穫量がどうだったかまでわかっていないと、適切な剪定が行えないのです。他にも主枝も思い切って先を20〜30cmカットすることもあります。
うちの葡萄畑はスタイルが古め。なので、葡萄の背丈が高く、驚く方もいます。それでも、モデナのこの地域以前はもっともっと高く高く栽培して、梯子に登ってでないと収穫できないような葡萄畑が主流だったようです。
ローマ時代まで遡れてしまう葡萄の栽培。遠い昔は量がたくさんできる=優秀な葡萄畑
モデナの大地はどんどん枝を伸ばしても葡萄を量産できる肥沃な土地。ローマ帝国の記述にワインとワインビネガーの優秀な生産地として記述が残っているほど。
今でもブリックパックに入ったワインはモデナ県のあるエミリアロマーニャ州で生産してますし、ワインの生産量はイタリアNo. 1。バルサミコ酢造りに使う葡萄は全て手作業ですが、ワインを作る分は機械摘みをしますから、葡萄畑の畝幅も大きな重機が入れるように広く作ってあります。剪定に剪定をする他州の葡萄畑の作り方とは少し違うのです。
それでも最近ではもっと木の間隔を狭めて、短く幹を太く栽培する方法がこのあたりでも主流になってきているようです。樹勢を維持しやすく、病気になっても対応しやすいとか。
だんだん葡萄畑の植え替えの事も考えなくてはいけないから、これから栽培方法の見直しも視野に入れつつ、葡萄畑についても色々勉強中です。
今週の動画は今まさに剪定中の葡萄畑から。葡萄畑の周りにいる動物たちも登場します。
のどかな田舎を覗いてみてくださいね。
明日2月21日から伊勢丹 新宿店 daRoma 店頭でhttps://www.eet.co.jp/
私たちの13年熟成のバルサミコ酢が販売を開始します。

大事に大事に作ったバルサミコ酢。こんな剪定作業の繰り返しを13年、13回分の葡萄の収穫私たちの情熱と時間が100mlの小瓶に凝縮しています。たった200本ですが、私たちには子供を嫁に出すような気分。モデナの伝統を味わっていただけたら幸いです。