年末の大仕事トルテッリーニと新しい年

あけましておめでとうございます。
2021年もよろしくお願いいたします。

我が家のミニ日本コーナーのお正月飾り

我が家ではクリスマスは家族で過ごすもの、
年末年始はどこかで、友人という事が多いイタリア。

山家の前にあるもみの木

我が家もここ数年は、トレンティーノアルトアディジェの山の家で過ごしていましたが、
今年は州を跨いだ移動が難しいためそんなわけで、自宅でのクリスマスとお正月を家族4人で迎えました。

年末前に12月中旬から、せっせっとトルッテリーニという極小のラビオリを作って冷凍庫にストックします。

これをお肉たっぷりのスープストックで煮て食べるのがクリスマスやお正月に食べるのがモデナの人の定番。モデナでは親戚、友人が集まって和気あいあいと丸一日作り、このトルッテリーニ小さければ小さいほど良い!と言われています。作り置くのは日本のお節料理を作る感覚と似ています。沢山の来客や、色々作らなくてはならないクリスマスや大晦日に冷凍庫にストックしておくととても便利。

私も3、3cm角に切ったパスタに2g弱の詰め物をして作った数700個ちょっと。延々1人で作っていると、流石に嫌になってくる。そんなわけで考えました。毎年作ってそうなイタリアに嫁いだ友達を中心に声をかけてオンライン年末パスタ包み!5人ほどの友人が集まって、一人はカッペッレティ

左がカッペレティ右がトルッテリーニ

中身と包み方が違うのです。そんな中身の話や、四方山話をしながら数時間やっと包み終わりました。

モデナは特産品ので生ハムとパルミジャーノレッジャーノ チーズが必ず入ります。そして基本的には豚肉、鶏肉、コウシ、やモルタデッラや生ソーセージが入る家庭などなど、家庭によってレシピが微妙に違ってきます。モデナにいらしたらそういう微妙な違いを食べ比べるのも一興。

沢山のお肉でとった贅沢なスープストックでいただきます。これがトルテッリーニインブロード。

スープストックで使ったお肉はセコンドピアットとしていただきます。我が家はバルサミコ酢を使ったサルサベルデを添えてます。

忘れてはならないのはコテキーノや、ザンポーネ

ザンポーネといえば今や北イタリアを中心にイタリア全土でお正月には欠かせない食材となっていますが、モデナ県が発祥の地。

16世紀にモデナ県はミランドラ市のピーコ一族のお抱え料理人が考えたと言われています。当時フランス軍が押し寄せてきていたモデナ一帯において、自分たちの食いぶちを守るために、軍隊が到着する前に屠殺をした大量の豚の前足に、大量のミンチ肉を詰め込んで保管し、敵の搾取を免れたのがザンポーネの始まりと言われています。

左がザンポーネ、右がコテキーノ

ザンポーネとコテキーノを市場に買いに行く動画はこちらから

まず、豚の前足から中身を抜き、うら返して塩と胡椒、肩ロースなどの脂身が少なめの肉や、豚の皮、バラ肉を細かく切ったものに、塩、胡椒で味をつアニス、ナツメグ、メース(ナツメグの仮種皮)、シナモン、クローブなどスパイスで味をつけます。

このスパイスの配合は各家庭や、肉屋、メーカーによってその配合は少しづつ違い、モデナの人たちはご贔屓のザンポーネを12月に入るといそいそと買いに出かけます。スーパーにはもう調理されて、真空パックになったものがたくさん並んでいますが、地元お肉屋さん特製のザンポーネを一晩ゆっくりと水で戻し、皮を柔らかくし、余分な塩分を抜いた後、白い布で包み(破裂などを防ぐため)ごくごく弱火で3時間ほど煮たものは絶品。塩気が強いので、味は付けません。レンズ豆の煮込みや、白花豆の煮込み、マッシュポテトなどと食べるのがモデナの定番。皮を食べるのか食べないのか悩むところですが、残すとザンポーネは皮も食べるものだよ。コラーゲンがいっぱいだから、お肌ツヤツヤになるよ。などとたしなめられます。

こんなお料理の後は、年越し蕎麦にお節料理。

なんだかここ一年ほどで急に遠くなったように感じる日本を思ってのお正月。

今年はまた自由に行き来ができるようになることを願って!

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