2024年9月下旬、辞退者が出遅れて、海軍士官高等学校へ急遽入学が決まった16歳の娘。イタリアの海軍士官学校なんて異次元の世界。一体どんなところなの?と思うのがおおむねの人の感想だと思う。親が垣間見た雰囲気を書いてみる。娘の挑戦受験の様子はこちらから

モロジーニ海軍士官高等学校

イタリアの高校は5年制2年(14−15歳)までは義務教育、3年から5年(16歳18歳)は義務ではなくなるため、一般的な認識として、2カ年、3カ年と分けて考えるのがイタリア。一般的な高校でも3年生からボランティアや職業訓練が入り、将来その点数が就職や大学入試などにも反映される。娘の海軍 士官高等学校は3年間理系高校の授業を継続しつつ、軍事訓練を含み、部活的運動もたくさん。国防省管轄のイベントやボランティアに参加し、点数だけでなく、一定期間を過ぎると微々たるものだけれど給料(5ユーロ/日)が出て、年金の積立までしてくれる。学校に行きながら給料がでるの?!と色めきたった娘だったけど実際はどうなのか?

完全寄宿制の学校で、イタリア全国から生徒が集まっているため、家に帰れるのは、大きな休みの時、もしくは医者にかかるなど公式な理由がある場合のみ。週末ごとに家には帰れない。寝食、授業、運動全て校内で完結するから学校の外に出るのは外出許可日のみ。海と運河に面しているため入り口は1箇所海軍の看守がいる緑の門。軍の設備だから、結構の数の監視カメラがついている。

まずは士官生に相応しくなるべく訓練しなければならない訳だ。入ったばかりの士官生たちががっちりやらされるのは、日々の規則を守ること。平日の時間割を見てみると

6:40〜7:00 起床身支度 制服に着替え、髪髭を整え、寝具を整える

7:00〜7:10 朝の点呼 検査 

7:10〜7:25 朝食   

7:25〜7:40 掲揚台集合 国旗、校旗、各学年の旗掲揚

7:40〜13:45 6時間の高校の授業2回の休憩含む

13:50〜14:00 食堂準備

14:00〜14:30 昼食

14:30〜14:50 着替え、保健室入室可能時間

14:50〜16:40 運動訓練 

16:40~17:05着替え

17:05〜19:45勉強

19:45〜19:55国旗その他の旗の降納

19:55〜20:00食道準備

20:00〜20:30夕食

20:30〜22:15勉強、シャワー、歓談、寝る準備等

22:15〜22:20夜の点呼

22:45  消灯就寝

まあ時間割見れば、厳しい寄宿学校くらいな感じだけれど、無事一年生を終えた娘に行間を娘に説明してもらった。

一年生はピーボリ。ベネチア方言で完璧なという様な意味。標準イタリア語ならペルフェッティーニだろうか?この1年間で、士官学校生に相応しい完璧にならなければならないからとか、完璧を要求されるからこの呼び名。

はじめは名前など呼んでもらえず、一年!と呼ばれるところをピーボリと呼ばれる。

起床時には時間内に身支度、寝具をぴっちりと四角く角が立つ様にたたみ、シーツをぴっちりとさせる事。これが時間内に終わらなければならない上、部屋の前の廊下に整列して最上級生がチェック一本でも髪に乱れがあればやり直し、寝具の畳み方が悪ければ、マットレスごと怒号とともにひっくり返され、部屋の連帯責任になり、減点。

イタリア海軍のYouTobeまさに1年生の朝の点呼風景

休めで後ろで腕を組むのも肩甲骨のちょっと下くらいまで組んだ手を上げておかなければならないし、何をするのも走って移動。しかも前で拳を突き合わせ、肘を上げた状態で走らなければならない。

なんでなの?と聞いたら何をするにもピーボリは楽してはいけないから。1番辛い体勢が取らされるんだそう。午後の自習時間も部屋ではできず、授業が行われる教室で背筋をまっすぐ両足は揃えて座って勉強しなくてはならない。もちろん不定期に上級生が見回りにやってくる。食事の時間も肘は体側から離してはならず、果物でもなんでもフォークとナイフで切って食べなくてはならない。各テーブルには教育担当の上級生がいて食べ方をチェックしているので、こちらも減点対象になる。

減点数により、携帯の使用が禁止されたり、木、土の夕方と日曜午後の外出が禁止になる。禁止事項にならなくても、起立の直立姿勢が自習時間、運動の時間後や、夕食後言い渡され、着替え時間や入浴時間がほとんどなかったり、先輩からのしごきが待っている。まあそんな感じなので、入学してすぐは電話もかかってこないだろう。と踏んでいたら、意外にも木曜日に電話がかかってきた。

続きます。

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