2024年10月26日、価値と伝統の日のセレモニーがあった。2、3年生の学業、スポーツ、などの優秀者の功労賞の表彰があり、娘たちの62期生の学年名の初お披露目とイタリア海軍の将校や下士官が身につけるフォーマルな場面で着用する 儀礼用の刃物(礼装剣/短剣) が授与される。
この名前は生徒たちが話し合って決めるのだけど、イタリア海洋歴史にまつわる人物や船の名のラテン語の名前をつけるのが由来で、歴代の名前とはかぶってはならないから、皆んなで辞書首っ引きで探して、ついた名前がアエネアス(Aeneas)。女神ヴィーナスを母に持つトロイアの英雄で、トロイア陥落の際に父と息子を連れて脱出し、大変な船旅の末イタリアへたどり着いた人物。彼の子孫がローマを建国するとされ、ローマの源流をつくった敬虔な英雄。モロジーニ士官高校だったといえば、名前は?と言われる名刺になり、一生の誇りと、思い出に残る。なかなか良い名前を選んだのではないだろうか。
10月31日ちょうどハロウィンの日から3日間イタリアは連休になるので、一時帰宅ができた。娘に何が食べたいのと電話で聞いたら、「ご飯、白いご飯!それとおにぎり」だそうで横で電話の会話が聞こえたらしい友達が、「なんでご飯?!」と言っているのが聞こえて笑った。
日本人の白いご飯食べたい!の感覚はリゾットが米と思っているイタリア人には理解できまい。娘のこう言う感性は日本人なんである。家にいるのと違い、食べたいものがいつでも食べられるわけではない。運動量も半端ないので、みんないつもお腹を空かせているらしい。家族もその辺は心得ているので、おじいちゃんおばあちゃんと同居の子などはもう1週間も前からおばあちゃんとお母さんが山ほどのご馳走を仕込んでいるんだなどなど帰る数週間前から、帰ったら何が食べたいか?と言う話題で盛り上がっていたらしい。
外出セレモニー用の制服はまだ支給されておらず、制帽、濃紺のコート、校内で着用する濃紺のモックネックセーター、濃紺のウールのスラックスにコート無事帰宅した娘は開口一番「お風呂入る。1週間シャワーも浴びてない。」と恐ろしい事を言う。
どう言う事なの?!と聞くと全く時間がもらえず、シャワー浴びる時間がないから髪も部屋の洗面台でお湯で流すのが精一杯だったと、背中のニキビの悪化している箇所に薬を塗ってあげながら聞いた。靴づれのケアもしっかりできておらずあまりにもこれはと思っていたら後日、親のチャットで衛生面に問題あると学年司令官に申し入れをしようと言う議題が出たほどだった。だんだん慣れてくると、日曜日に女友達4人とホテルの家族部屋を格安で借りて、(学校近隣のベネチアのホテルも心得たもので、格安で貸してくれるのである。)シャワーや昼寝や勉強をしに行くようになるのだけれど、この頃はまだまだ何をするにも時間がなくって、朝の支度がようやく板についてきた頃。
あれだけ苦労していた朝の支度は、部屋の中で1番早くできる様になったのだそうで、部屋の中で1番遅かった1ヶ月前とは雲泥の差。束の間の週末で大笑いだったのが、親チャット、12月20日の海軍入隊宣誓式向けて行進、国歌斉唱の特訓の真っ最中の彼ら。どこの子もシャワーを浴びながら、大声で国歌や軍歌を大声で歌ってる報告。うちのお嬢さんも御多分に洩れず、シャワーで歌うだけでなく、車移動も国歌。弟に意味や通常は1番で終わりなのに6番までフルに教え込むという熱の入れよう。もちろん間奏のタッラランタラランタララッタッタッタッタは歌っちゃいけない(だいたいスポーツ選手とか歌っちゃってますが)。帰ってきたら、お母さんの服の畳み方、ベッドメーキングに文句を言ったり、朝から走りに行っちゃったりという子も多数。束の間の日曜の午後の列車で学校に戻って行った。
宣誓式は親も招待される。正装の制服が支給され、海軍入隊の大事な儀式。それが終われば、クリスマス休暇だ。

