焼き栗と薪ストーブ

秋が深まり、薪ストーブに火を入れ始めたモデナ。
庭の木々もずいぶん紅葉して葉を落とし、だんだん冬の入り口に入ってきたのを感じる。

寒くなってくる10月下旬から、冬になると街角で焼き栗売りが見られるのもイタリアの風物詩。

メルカートの八百屋さんや、ジェラート屋の屋外スペースのようなところにとどまらず、ミラノのおしゃれな街角でも屋台が出て売っているのを、見かけたことがある方も多いのではないだろうか?

もちろん家庭でもこの時期友人、親戚と集まると食後に山のような焼き栗を前に、栗を剥きながら秋の夜長を話に花を咲かせるのがイタリア流。

オーブンやガスの上で専用の穴の空いた焼き栗用のフライパンで焼いた栗も美味しいけれど、薪で焼いた焼き栗は、燻された香りと実のほっくり加減が断然違う。

美味しい焼き栗はシンプルな食べ方だけれど、一番栗の味がわかるように思う。

マロングラッセが職人技が光るお寿司だとしたら、焼き栗は新米の炊き立てご飯というかんじだろうか?

イタリアの栗は和栗とは種類が違うそうで、渋皮が綺麗に剥けるし、とても甘い。栗ご飯に入れると砂糖で味をつけたのか?と思うくらい。

栗きんとんや渋皮煮にするには和栗の方に軍配が上がるかな?

やはりその地域にあった、適材適所というものがあるのだろう。

SNSでイタリアの焼き栗が食べたい、和栗ではあの味にならない。というコメントを沢山いただいたのだけれど、人間ないものねだり、この時期の和栗だけでできた栗きんとんが無性に食べたくなった。

今週の動画はこちら

ぶどうから天然酵母起こしてパンを作る

ここ10年ばかり我が家で栽培しているぶどうを使ってモストコットを作る時期に、天然酵母を起こしている。というのもパンに使われる天然酵母は、ぶどうの皮の表面に常在しているサッカロミセスと言う酵母と同種で、ワイン醸造でもバルサミコ酢醸造でも同じ酵母が働いている。
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天然酵母を起こすと言う事は、なんだかとっても難しいように思われているけれど、サッカロミセスを生き物と考えて、育てるために環境を整えて、餌をあげれば元気な酵母がたくさん育ってくれる。

酵母サッカロミセスがついているか、ついていないか見極めるのは簡単。葡萄が白っぽく見えるこれが酵母だ。

酵母は自然界に沢山存在している。先にも書いたけれどサッカロミセスはぶどうの外側に付いているのでぶどうの収穫は雨が降っては収穫できないと言うのもせっかくの酵母が流れて落ちてしまうから。という事は天然酵母を起こすぶどうは洗浄しない。そのためぶどうは農薬や排気ガスをたくさん浴びたようなものはもちろん、使わない方がいいだろう。

我が家の葡萄畑は、Bio栽培で、畑の周りの牧草地もBio栽培、畑の一番近くの道は農道で近隣に民家もない。というそんな環境だから、ぶどうも安心してバルサミコ酢、ワイン、パン作りの酵母に使える。

ワイン作りが盛んになる9月から10月。葡萄畑や、ワイナリーがたくさんあるモデナの田舎では、天然酵母が空気中にものすごく浮遊しているらしく、同じ条件で作っているはずなのに、パンの発酵が異常に早くなって、出来上がるパンの気泡の大きさもびっくりするほど大きい。新月に向かう時期より、満月に向かう時期の方がずっと発酵が早いとか科学では証明されていないようなことも起こる。酵母は生き物なんだなと思う。

そんな酵母の性質を知るためにも私にとって天然酵母を使ったパン作りは、バルサミコ酢造りに大いに貢献してくれている。もちろん美味しいパンを食べられるという美味しいオマケ付き。

そんな天然酵母起こしの動画を、今週は紹介したい。

見学&お食事

醸造室見学&お食事会(所要時間 3時間半) 

醸造室の見学後、屋敷内のモダンとアンティークが共存するお食事スペースで、我が家のバルサミコ酢を使ったモデナの郷土料理をご一緒しましょう。イタリア語を勉強中の方にはちょっとしたホームステイ気分を味わっていただける事請け合いです。

料金についてhttps://miamodena.it/item/visita-e-pranzo/

極上のバルサミコ酢を季節に合わせた郷土料理でお楽しみいただきます。

前菜、プリモピアット、セコンドピアット、付け合わせ、ドルチェのフルコースでご用意いたします。

イタリア旅行中のお客様を始め、イタリア留学中、イタリア駐在中などなど色々な方がソーシャルネットワークや、雑誌、インターネットを見て訪ねてきてくださいます。皆さんおっしゃるのが、イタリア語は日常会話くらいはできるけれど、やっぱり母国語の日本語で説明を聞けるのは違う!と言ってくださる事。私にとって嬉しい瞬間です。

とはいえイタリア語を試したい!と思ってらっしゃる方もいらっしゃいますから、我が家の食卓は、イタリア語の格好の練習場?になるようです。お客様の了承を頂ければ主人と子供達も同席いたしますので(基本的にイタリア語が我が家の共通言語です)、最初は緊張気味?のお客様もすっかり打ち解けて、食事の後にはずいぶん前からお友達だったかのように打ち解けてハグして別れます。(もちろん、通訳が必要な場合は日本語に訳しますのでご安心ください。)食卓を囲むってすごい効果だなといつも思うのです。

旅行中であれば、イタリア人の家庭に招かれるということはなかなか難しいので、皆さん面白がって下さって、個人でいらして、数年してからご両親とまた再訪して下さったり、日本に帰国した際、見学にシェフの経営しているレストランにお邪魔したり。良いご縁をいただいております。

中には長いイタリア留学でちょっと疲れていたのですけれど、久しぶりに家族の一員の気分にさせていただいてリフレッシュできました。なんていうお話を聞くと、やはり自分もイタリアに来たばかりの頃、長くイタリアに住む日本人の方のおうちに招いて頂いて同じ思いをした事を思い出します。

皆さんも、食卓をご一緒しませんか?

見学 テイスティング

テイスティング講習(所要時間1時間半)


醸造室見学後、屋敷内のサロンに移動して、6つのサンプルのテイスティングを行います。熟成期間、製法の違いなど試飲を通し、視覚、嗅覚、味覚をフルに使ってサンプルをテイスティングしながら違いを感じましょう。

伝統製法のバルサミコ酢の、存在感はどこから来るのか?

それを知ることは比較することが一番手っ取り早い方法だと、10年鑑定士の勉強をしてみて私自身が思っている方法です。テイスティング講習では6種類のサンプル

ワインビネガー

サバ(ぶどうシロップ)

バルサミコ酢IGP 粘性が違うものを2種類

伝統的製法のバルサミコ酢 若い物 仕込み始めて13年経ったもの

伝統的製法のバルサミコ酢 250年ほど前から我が家で守られているの家宝とも言えるバルサミコ酢

こちらをまず、視覚で比べ、製法の違いからくる香り、味の違いなど1時間ほどかけてゆっくりと説明しながら、味をみていただいています。将来お客様ご自身でバルサミコ酢を選ばれる時の基準を作っていただけたらという思いで、講習会をしています。

伝統的な製法のバルサミコ酢は、本当に手間が掛かっている上、毎年本当に少しの量しかできませんので、しっかり味をみて、違いを感じていただけたらと思います。

毎回お客様がおっしゃるのは

この味を知ったら、市販のバルサミコ酢が買えなくなりそう。

どこで探せばいいの?

今までのバルサミコ酢って一体なんだったの?

また来ます。

嬉しい反面、申し訳なくも思っているのが本音で、いつもお返事させていただくのは、適材適所を分けて使われたらいいと思うんです。予算だってある。まさか毎回こんな高価なお酢をホイホイ購入できないですもの。元々貴族の趣味で作っていたようなお酢ですから、やっぱり特別なもの。作っている私たちも毎日使っているわけではありません。

大事なのはこんな本物があるんだ。という事を知ってもらう事だと思っています。

バルサミコ酢をきっかけにイタリアの食の歴史と文化の奥深さを感じていただけたらとても嬉しいです。

サイトを始めるにあたり

イタリア モデナの地でバルサミコ酢造りに携わって13年が経とうとしています。伝統的製法で造るバルサミコ酢は毎年の葡萄の収穫、モストコット作りはもちろん、熟成期間が大変長く、最低でも12年の熟成期間を必要とします。時間だけが作り出すといっても過言でない本物のバルサミコ酢。バルサミコ酢という名が付いて市場に流れる製品の0、001%しかないという非常に希少なお酢です。そのため実際口にしたことがない方が大半と思ってほぼ間違いないと思います。

市場に流れているバルサミコ酢と伝統的なバルサミコ酢の違いはこちらから

イタリアのお酢といえばバルサミコ酢。イタリア料理店でも多く見かけるのではないでしょうか?

どうやって作るかご存知ですか?知名度はあれど、その作り方を知る人は稀です。ここ15年ほどで、日本でもバルサミコ酢と名のつくお酢がたくさんで回るようになりました。しかし、私たちが作っているような伝統的製法のバルサミコ酢はバルサミコ酢と書いてあるお酢の中の総生産量の0、001%しかなく、その本物製法はなかなか知られていません。なぜ量産できないのか、材料に違いはあるのか?熟成期間が最低でも12年?そんな醸造過程を日本人唯一のバルサミコ酢A級鑑定士であり、バルサミコ酢の醸造家がモデナから伝統的なバルサミコ酢の作り方をご紹介します。

実際醸造するにあたり

伝統的なバルサミコ酢の醸造を知ってもらいたい

実際醸造するにあたり、伝統的な製法はもちろん、科学的な視点、歴史、風土、伝統など多岐にわたる知識の必要性を感じました。さまざまな文献を読むことはもちろん、講習会への参加や様々な醸造室を訪問したり。それと並行して11年越しで日本人初のバルサミコ酢のA級鑑定士の資格を取ることができました。それは一重に伝統的製法のバルサミコ酢の奥深さに魅せられたからというしかないでしょう。

その間海外はもちろん、イタリア国内においてもモデナ以外の地域で伝統的な製法のバルサミコ酢について認知度がゼロに等しいということを知り、愕然としたのでした。そんな勿体無い事があるだろうか!伝統的製法のバルサミコ酢について、少しでも知って頂きたい、自分に出来ることは何んだろう?と考えたときに母国日本に向けて情報を発信することだったのです。

実際バルサミコ酢を紹介すること

いかんせん12年以上の熟成期間を経なければ、正式に製品として販売することはできない。そうだとすれば、その長い醸造過程を実際に紹介したり、醸造室へ来ていただこうとソーシャルネットワークに記事を書いたりするうちに、見学に行ってもいいですか?というお問い合わせや、記事を書くお仕事をいただいたり、我が家にを取材したいというお話や、雑誌のコーディネートといった事が少しづつ広がり、日本でも講習会をしてほしいというようなお話をいただくようになりました。

女子栄養大学での講習会の様子

コロナがあるからできることを

今年2020年に入ってすぐ、今までにない沢山の見学の予約や、講習会のお話を頂いておりました。しかし、コロナウイルスで世界は思っても見ない方向へ。2月末からロンバルディア州を皮切りにあっという間にイタリア全土がロックダウン。もうどうしていいかわからない、でも何かしなくてはとYouTobeを使って動画を3月11日から週一回バルサミコ酢の話、モデナの食生活など、イタリアに実際来ていただく事ができなければ、動画で見ていただこうと言う気持ちが伝わったのか、ありがたいことに日本から沢山の励ましのメッセージを頂きました。現在また感染が拡大していますが、コロナがあるから出来ることを探す。という二歩目が自身でのサイト開設です。動けないからできることを少しづつそんな気持ちで色々ご紹介していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

YouTobe 動画はこちらから