2021年葡萄作業 その3 煮詰め作業

葡萄を絞る作業が終わると、ここからがワイン醸造とは全く違う、バルサミコ酢造りだけの作業に移る。葡萄の果汁を煮詰める作業だ。

バルサミコ酢の大きな特徴は、酢なのに甘味が残っているところだろう。バルサミコ酢の大きな特徴である芳香の第一ステップもこの煮詰め作業から始まる。

ここからちょっと化学的な話

絞った葡萄の果汁を大釜で煮詰めることによって、糖類が熱と反応し、芳香アルデヒドの一種であるフルフラールを形成する。

こんなふうに書くと一体何の話?となる読者も多いだろう。プリンのカラメルソースをイメージして欲しい。水に砂糖を煮溶かしただけのシロップ(ガムシロップ)には無臭と言って良いほど、香りはないけれど、プリンのカラメルソースには鼻に抜けるような芳香がある。

もちろん香りがよくなるからと言って、プリンのカラメルソースのように葡萄液を焦がしてしまっては、苦いバルサミコ酢ができてしまうからそれはご法度。ではどうするのかというと、大釜を使って直火で煮詰めるという作業を行うのである。古くは薪、現在ではガスの火を使って煮詰め作業をする。どうしても火は下からということになるので、鍋の底の火力と近い部分は高温になり、焦げないまでもフルフラールが形成されやすい環境が出来上がる。

もちろん液体は温度の高低差があれば対流が起こるので、大量の水分を含む液体が入っている鍋の中では、そこが焦げ付いてしまうことはないが、液体は煮詰め作業を行うにつれ、白い葡萄を使っても褐色へとどんどん変化し、とても良い香りが庭中に広がる。

左が絞ったばかりの葡萄液。右に詰め始めて数時間経った葡萄液

皆さんもきっとジャムを作っているときなどにある時点から、家の中がジャムのいい香りに満たされるのを感じたことがあるのではないかと思う。それと同じ原理なのである。

それからもう一つ忘れてはいけないのが、メイラード反応。こちらは糖とタンパク質(アミノ酸)を加熱したときに行われるアミノカルボニル反応の一種で、こちらも糖とアミノ酸の種類によって、複雑な香気成分の生成させ、褐色色素が生じる。わかりやすい例を出すと、肉を焼く、玉ねぎを炒めるなどの色の変化、また醤油や味噌の醸造中の褐変もメイラード反応によるものなので、バルサミコ酢造りにおいては、まず葡萄液の煮詰め作業、熟成期間中にもこのメイラード反応が進むと考えられ、バルサミコ酢独特の色である褐色へと導いていく。

バルサミコ酢の樽の中の液体の色の変化

前述の二つの反応は、酵素は関係ないけど、葡萄のには酵母や酵素というものも働くからどんなに白い葡萄を使ってもどんどんと褐色に変化していくから褐色のバルサミコ酢が生まれるというのがわかっていただけたら嬉しいです。

葡萄の可能性というのは本当に大きくて、バルサミコ酢造りというのは科学的なことを突き詰めれば突き詰めるほど奥が深くて面白いのですが、実際の作業現場はものすごく重労働。やーっと絞った葡萄の汁は電動ポンプで絞った先から大釜へ。流石に400Lを越す液体を手作業で移すのはもう体が持ちません。

大窯に葡萄液を入れる

大体この作業が終わるのは夕方で、全ての液体を移し終わった後は蓋をして、次の日の早朝に火を入れる準備をします。

点火は朝の5時ちょっと前。まだ真っ暗な中、蓋を取り、強火で約2時間すると大量のアクが表面に浮いてきます。

灰汁が固まり始めたところをすくう。灰汁だけでも毎回20kgほど

それを全て取り除いて火を弱め、表面が動くぐらいに火力を調節しながら煮詰めていきます。葡萄の糖分にもよりますが、大体火を弱めて12時間後くらいに作業終了。その間、葡萄の収穫に出かけ、葡萄を絞る作業を並行して行うので、一日中作業している感じ。煮詰まる頃にはすっかり日も暮れて、辺りは真っ暗。煮詰めすぎてしまっては、大事なアルコール発酵が起こらなくなってしまうので、煮詰め加減には大変に気を使います。

煮詰まるのは夜

褐色の艶のある液体を眺める時間もなく、熱々のモストコットをステンレスタンクに保管して、その日絞った葡萄の果汁を大窯に入れ次の日に備える。こんな作業が続きます。

雨が降れば収穫や絞る作業ができないので、おやすみになりますが、葡萄を煮詰める作業は続行。

雨が降ると収穫作業や絞る作業はお休み

今年は最後に雨に降られましたがおおむね良好。雨上がりにダブルで虹が見えてなんだか得した気分でした。

葡萄畑にかかるダブルの虹

今年もなんとか葡萄作業が終わったことに感謝して!

葡萄の収穫作業の様子はこちらから

      ↓ ↓ ↓

友人と過ごしたバカンス

以前にも書きましたが、イタリアの夏休みは長い小中学校は6月2週目から9月2週目までがお休みで、大人もその間34週間のバカンスをとるのが常です。

そんなわけで、どこに行くか、どうやって過ごすかが夏の最大の関心ごとになるのです。

コロナ禍ではあまりにも行動が制限されたため、ワクチンが行き渡り始めた今年の夏こそは!と計画をする人も多い今年。

ワクチン接種会場 すぐに証明書を発行してくれます

通常なら海外旅行に!という友人も多いのだけれど、国境を越えるとなると、急に規制が変更されて、現地で足止め、もしくはイタリアに帰国後隔離義務がある可能性もあるとなるとリスクが高くなりすぎる。急に感染爆発となって、旅行を取りやめにしなければならないなんてことも困る。

ワクチンを打ったらアプリケーションを使って携帯にQRコードをダウンロードして証明書として使います。

我が友人たちも同じく、コロナ中の人と会うことに飢えている。

散々オンライン飲み会はやったけど、物足りない!会いたい!何よりコロナの心配なく子供達を遊ばせたい!というわけで、主人の大学時代の友人10家族大盛り上がりで、2月から大人子供42人が過ごせるロケーションを探し回りトスカーナ州のサンミニアートの近くに、あるボルゴ(集落)がバカンスの家として貸し出されているのを見つけ、早々に予約を入れたのでした。滞在したボルゴブッチャーノ

現在のイタリアはコロナ感染数が減ったとはいえ、デルタ株など予断を許しません。集団感染なんてことになるのは困るので、大人はワクチン接種、子供たちは到着48時間以内にPCR検査をすることを条件という取り決めをして、全員陰性を確認していざ。

遠くはドイツ、ミラノ、トリノ、モデナから総勢42人が集まったのでした。

1週間の滞在。問題は食事。あまりに人数が多いので、3食食べるとなると、用意する人はバカンスどころではない。大変なことになるのは火を見るよりも明らか。レストランに行くのも人数が多すぎて無理。方々探してみたけれど、一度OKしてくれシェフは、行動制限が緩和されてから、仕事に追われて、キャンセル。一度暗礁に乗り上げるも、ケータリングを主にしている知り合いのシェフを口説いて、夫婦で来てもらうことに。キッチンはボルゴ内にあるイベント用の業務用キッチンを借り切り、初日の買い物は大きなショッピングカート6台分。基本調味料から揃えるわけだから凄まじい量。

2l水のボトルが1日に40本ほど消費されてましたから、別途アルコールと飲料買い出し班を増設するほどでした。

子供たちは21522人。敷地内には大きなプールがあり、全て植え込みで覆われているので、不法侵入者や、車などに気を使うこともなく、うちの子たち138歳は朝8時ごろ部屋を出て、夜の11時まで遊びっぱなし。

近隣の名所に行くグループに参加するのもよし、残って遊ぶもよし。大きな子たちは小さな子たちの面倒を見ながら、食事も子供達の専用テーブルで実に楽しそう。女の子、男の子グループに分かれ、毎日の配膳や後片付けもよく手伝ってくれました。

これだけの人数になると、大人の専門性も多彩。

ヴィンチ村のレオナルドダビンチ博物館に行くと、子供達に各々の専門分野を説明。歴史、建築、美術、技術者、解剖学(獣医さんがいる)全ての専門家がたまたま揃っていたので、この原理は今でもこんなものに応用されているんだよ、などなどプラスアルファの説明が下手なガイドを雇うよりも魅力的で素晴らしい。

街歩きも楽しい

音楽好きの友人はバカンス中全てのバックグラウンドミュージックをオーガナイズ。大きなスピーカーを計4台も持ってきており、プール、アペリティーボ、食事、食後の子供達のカラオケ企画や、ギター演奏も。

ギターからマイク、スピーカーまで準備万端。全て持ち込んでいます。

私はもちろん、食事のそう責任者。シェフと食事のオーガナイズ。買い物や、みんなのリクエストをまとめて、メニューを決めたり、土地の特産物を買い集めてアペリティーボを企画しておりました。

夕暮れのアペリティーボ

元々同じ大学の同じアパートのフラットに住んでいた主人の友人達10人。そこに結婚して子供ができて大人数になっても変わらない友人関係。奥さんの国籍もイタリアのみならず、フィンランド、フランス、ドイツ、チェコスロバキア、日本、ブラジル、イギリスなど国際色豊か。

大人は夜7時のアペリティーボから始まり、夜中まで語り明かしました。

最終的にどんなバカンスだったか?大人の満足はもちろん、どこの子供も

こんな友達がいるって幸せ!

みんなのこと大好き!

来年はどこ行くの?

などなど本当に楽しかったようで、来年もリピートになりそうな予感です。

神父の義弟が遊びにきて全員ミサまでありました。

大人数の怒涛のバカンス。

全力で遊んだので、これから頑張って仕事します。

夏恒例!トマトソース作り

残暑お見舞い申し上げます。

今年の夏はとても暑くて雨が少ないそんなモデナです。

真昼の太陽はジリジリと焼けつくよう

日本の皆さんはトマトと言えば、南イタリアを想像するかもしれませんが、実は私が住むエミリア・ロマーニャ州は加工トマトの生産量がイタリアでなんと第一位。

加工トマトというのは、加工されたもの。という意味ではなく、加熱加工向きのトマト。生食用のトマトと比べ、皮が硬く、支柱栽培ではなく、スイカのようにごろごろと地中に這わせて育てています。以前イタリア好きのweb通信で書いたものがあるので、詳しくはこちらから。

ご近所の農家さんが栽培している完熟トマトを毎年8月の頭から中旬にかけて買いに行きます。

農家の葡萄畑の間に無造作に積み上げられている、トマト、トマト、トマト!機械で摘むのですか?と聞いたらうちは全部手摘みだよ。と!まあこの暑い中本当にご苦労様です。

こちら一部、葡萄畑の葡萄の木の間に他にもたくさん積んでありました。トレーラーみたいなもので買いに来る人がたくさんいるらしいです。

60kgください。と言ったら、箱を持ってきてくれてきたからおまけね。使うでしょ?と、10kg余分にくれるおじさん。

今年はいいできで、完熟だから、今日明日中に加工してね。と

総重量70kg。

田舎の車は何を載せるかわからないので、ダンボール敷き詰めてます

帰ったら早速瓶の洗浄。これが結構手間がかかる。

大体一本1kg強入る予定なので、70本を用意します。

これで半分くらい

翌日家族総出で、暑いので早朝6時から瓶の煮沸、トマトの洗浄。地面で育っているので、かなり土がついているので、一つ一つしっかり洗います。葡萄作業に使う大きな入れ物を出してきて、子供たちが洗浄係。大体最後は水遊び。夏休みですからお手伝いも楽しまないとね。

3回水を替え、よく水を切ったトマトをどんどん半分に切っていきます。中まで真っ赤。食べてみると例年よりずっと甘い!さすが太陽の子トマト。太陽がトマトを甘くしてくれています。

それを大釜で皮が簡単に外れるようになるまで火を通し、ザルに開けて1時間ほどしっかりと水を切ります。それを種と、皮だけ出てくるトマト潰しにかけて、ピューレを作り、火にかけて煮沸。瓶詰めをして、また瓶ごと煮沸して冷まして出来上がり!

こんな機械で潰すと、種と皮だけが出てくる仕組み

67瓶のトマトソースが出来ました。

今年は濃厚な、甘味の強いトマトソースが出来ました。塩も何も追加してない自然のままの味だからこそ、どんな料理にでも使えるのです。1ヶ月くらい寝かせた方が美味しいので、去年の残りを使い切って、それから使い始める予定。

出来上がった濃厚なトマトソース

秋が楽しみです!

動画でもどうぞ楽しんでみてください。

バカンスシーズンのイタリア

7月も中旬葡萄の実も随分と実ってきたモデナ

欲を言えば雨が少ない。雨雲に雨乞いをしたい気分。

願いが通じたのか、30分ほど雨が。それだけでも木々が元気になるのがわかります。

子供達が夏休みに入ってあっという間に1ヶ月

イタリアの長い長い夏休みは子供達に何をさせるか?が親の重要課題。

イタリアの夏といえば、バカンス

ワクチン接種も進み、現在イタリア国内は自由に移動ができるようになっておりますので、移動ができなかったロックダウンを取り戻そうとばかりに、今年は特にバカンスに熱を入れているイタリア人が多そうです。

日本とは異なり、イタリアは週単位で大人もバカンスをとります。

家族単位で何週間もどこかに行こうというと費用もかなりかかりますから、ホテルやペンション滞在だけでなく、バンガロー、週単位で貸し出すマンションや一戸建て、キャンピングカーを借りて自炊などなど家族でどう過ごすか悩ましいところ。

別荘を持っているというイタリア人も多く、長期滞在中の間、気のあった友人を招待しあったりして過ごすということも多い。

しかし、別荘は両親や兄弟と共有なんてことも多く、日にちや、親兄弟との折り合いが難しい場合も

 主人の学生時代からの友人のマルチェッロは毎年エルバ島の別荘に招待してくれるのですが、それには理由があるんです。一つは子供達同士も仲が良いので、遊び相手になる。私と主人が友人の両親と仲が良く、特に日本人贔屓なので、行くと両親の機嫌がいい。友人の妹夫婦とも懇意にしており、私たちが部屋を使うことについて文句を言われないなど裏事情が

夜景も綺麗 テラスからの眺め

そして、私が料理が好きな上に、長時間(2時間が限度)海辺にいるのが嫌いで、さっさと海から上がり、見知らぬ土地のスーパーや市場を嬉々として巡り、買い物を済ませて、食事の支度をしに帰るため重宝がられて毎年いつ来る?と夏休み前から電話をくれるのです。

私はといえば、子供の面倒を見てもらえて、海辺の涼しい快適な別荘で過ごせて、海産物を使って思う存分料理できるわけですから、文字通りギブアンドテイク。

今年も一週間すっかりお世話になり、真っ黒に日焼けして帰ってきたのでした。お願い、もっといて!と友人夫婦に懇願されましたが、ずっと行きっぱなしというわけにもいかず、ワクチン接種も待っていたので後ろ髪引かれながらフェリーに乗り込み帰ってまいりました。

子供たちが家に帰れば帰ったで、秋からの仕事の算段やら、家の修理の左官屋や電気屋の采配やら 3度の食事プラスおやつの用意、家事全般などなどという訳ですっかりブログも書けずにおりましたが、子供たちの宿題時間に少し頑張って書かなくては。

不在の間、畑の野菜もぐんぐん育っておりました。

さくらんぼの収穫

初夏の気持ちの良い午後、さくらんぼを採りました。モデナはバルサミコ酢だけでなく、様々な果物の生産地。中でもさくらんぼは量、質共にイタリア一を誇ります。我が家でも自家用に育てていますが、今年は事に良い出来でした。

周囲の牧草地は数日前に刈られて、牧草ロールになり、視界が広がったように感じます。

8年ほど前。クリスマス用のカッポーネ(去勢鶏)を秋口からクリスマスまで飼う場所を貸している近所のおじさんに、

「通年通して鶏がいたら卵が採れるのになんで飼わないのですか?」と聞くと

「葡萄畑の端には日陰がないから、冬は日当たりが良くて良いけど、夏飼うのは暑すぎるからね。」と言う。

だったら植えればいいよね。桜の木を沢山植えたら、お花見ができるよ!と主人。

すっかり日本で呼ばれたお花見が気に入ったようなのです。

早速、娘の同級生の園芸店で苗木を見に行った。が、

高い!

もう木になっているようなものは予算より0が一桁多いのです。

葡萄畑の端の全長は200m以上あるのだ。どう考えても10本は欲しい。だったら、果物農家がやるように、1年目の接木を買って、2年くらい植木鉢で育てたら良いわよ。価格も110以下だし。と教えてもらい、途中で枯れてしまう事を考慮して、4種類4本づつ時期を変えて実がなるはずと目論みのもと16本購入。

植木鉢に植え替えて、散水システムを作り、2年育てて、葡萄畑の横に植え替えた。もちろん、かなり深い穴を掘る必要があるから、葡萄畑の重機を借りて植えました。

植え付けられたのは14本。これで立派な桜並木ができる。春には花見、初夏には大量のさくらんぼと取らぬ狸の皮算用。

が、そんな12年で実がならない。桃栗三年柿八年。一体いつからさくらは実をつけるのでしょう?せっかくできた数粒のさくらんぼは、すぐ小鳥に食べられてしまう。そんな年が続きました。不思議なことに、樹勢のあるものは実がならず、樹勢がないものの方が実がなり始めたのが数年前から。今年初めて大きく成長した木にも実がなり始めたのでした。

もちろん我が家のミツバチ達がせっせと受粉してくれているわけですから、味も良い。

大きな大きなさくらんぼ。味はアメリカンチェリーとサトウニシキの間というところでしょうか?

小さな頃から6月になると母の山形のお友達から立派なサトウニシキが送られてきて、あんまり美味しいので、あっという間になくなってしまい。あゝ、独り占めしたい!と思っていた子供の頃。

イタリアに来て念願かない、収穫しながら心ゆくまで食べたら、お腹が痛くなりました。ほどほどの方がいいようです。皆さんもお気を付けて。

春の養蜂作業

春から夏まで養蜂作業の佳境

動画でもこの様子を見ていただけます

毎週のように内見という作業を行う。

西洋ミツバチは家畜であるという。自然の中では淘汰されてしまう確率が高いけれど、

人間が手をかけることによって、群れを存続できて、数を増やすことが可能で、人間はそのご褒美として蜂蜜が採取できる。

もちろんミツバチたちのお陰で、ここ数年。葡萄は自家受粉できる植物だけれど、ミツバチおかげでの味が良くなったり、庭の様々な果樹も毎年鈴なりだ。

何よりもミツバチは農薬や、大気汚染などに大変敏感でミツバチが住める環境であるということは、私たち人間にとっても安全が保証されたようなもの。

庭のさくらんぼ スズナリになりすぎて枝が折れたほど

実は養蜂を始めようと思ったわけではない。ミツバチが住みに来てしまって仕方なくというのが本当のところ。

今から6年ほど前、いつも雨戸を締め切った窓の前を通るとブンブンと物凄い音。これは大変!と家の中に見にいくと窓の上方にミツバチの塊が!分蜂と言って、巣わけしたミツバチの群れが一時的に住みに来てしまったのです。

去年もそんなことが!動画はこちらから。ものすごい迫力です

すぐに近くの養蜂家に来てもらい一時的にポリスチロール製の養蜂箱に。その時に、場所もあるし、分からないことは教えてあげるから養蜂始めたら?という養蜂家のマウリツイオの勧めで主人の従兄弟、友達を巻き込んで始めたのがきっかけでした。養蜂を始めて約6年。当初は越冬できなかったり、分蜂してしまったり、病気にかかったり、試行錯誤の末今では8箱の養蜂箱になりました。

去年も窓にミツバチ。何故か我が家の窓は蜂に好かれるらしい

怖くないの?と言われますが、都会育ちの私最初は虫も蜂も嫌いでした。

でも田舎暮らしを始め、鳥ならば、スズメやハトだけでなくキジやみみずく、りすや、うさぎ、ハリネズミと言った可愛らしい動物だけでなく、蛇もネズミ、ヌートリアなども現れるサバイバルな我が家。今では蜂が可愛くてしょうがない。慣れとは恐ろしいものです。

越冬したミツバチたちは暖かくなって春の花が咲き始めると、蜜を集めて卵をたくさん生みはじめ群の数が増える。

女王蜂の世代交代が行われるのもこの時期。

そんな様子を動画にしたので、ぜひ見てみてください。

 

家庭菜園 その2

昨年からレイズベッド上げ底式の畑に切り替えた我が家。

その目的は庭で刈った大量の草や、枯れ葉の有効活用をすること。もちろん我が家には350Lのコンポストが2つあるけれど、全く追いつかないくらいの量が毎年出るのです。

紅葉の風情はあるけれど落ち葉掃除は大変…。

木枠を組み立てる作業

丸鋸で長さを切りそろえて、杭になる下の部分は三角になるようにして、アベンジャーのトールハンマー並みの大きな金槌で打ち込んでいく。

平でない地面に平になるように木枠を作るのが一苦労。ハンマーで杭打ちは汗だくの作業です。

やっと木枠ができたら、庭の木の剪定した枝、枯葉、枯れ草、炭なんかを敷き詰めて、そこにネコで何十杯も腐葉土を運ぶ。

剪定の枝、枯れ草を踏んで均一にしているところ

この土は長年庭の枯れ草や枯葉を山積みにしたところは腐葉土の宝庫。イタリアの田舎生活は、日本で触ったこともなかったネコ扱いも上達するおまけ付き!今なら平均台の上も渡っていけそうです。

そんな作業がやっと進んだある日

各レイズベッドに蛇口をつけて、自動散水設備を取り付けよう。と言い出す夫MAX

蛇口

ガーデン用品屋に行って聞くと、通常タイマーなどの散水システムは水道の蛇口に繋いで、その圧力を利用して散水できる仕組みだそうで、溜め水には利用できないとのこと。我が家の畑の周辺には付い堂の蛇口はない。100mほど離れたところに、古い井戸があるくらい。溜め水を作ったとして、手動式にしても高低差がなければ水は流れない。水道の水圧は通常0.25 0.3MPa。同じように30m以上の距離に一定の水量を短時間に散水するには同じ直径のホースを使った場合、理想として溜め水を5m!!の高さに上げないと無理だという。うーむ。

ぽとぽとと水滴が落ちる

必要なのはぽとぽと点滴のように水滴が落ちるようなシステムで、継続的な噴射のような散水は必要がない。各植物にゆっくりと落ちるようにすればいい。考えました。

まず、倉庫に転がっていた3000Lのポリタンク。以前葡萄畑を管理していたおじいさんが、水道がつながっていない倉庫に水を溜めていたもので、それを家族全員で運ぶ。

畑に近い少し高くなっているところに設置。井戸水を貯めて、改築工事に使ったあまりの水道の塩ビパイプ(これも倉庫に20年以上放置されてた)を繋ぎ、

長い長い水道の塩ビパイプ

各レイズベッドまで穴を掘り地中に埋めて、最後はレイズベッドの上を這わせる。途中途中、ガーデン散水用の細ーいチューブをドリルで穴を開けて取り付けて完成!

費用は1番お金がかかったのはこの大きなチューブを接続するジョイントの部分。かなりの数が必要でした。とはいえ1番かかったのは労力!

ここまで作るのにかかった時間は1ヶ月。もちろん沢山の野菜を植えました。

まあできることできること、毎日毎日食卓を賑わせてくれた野菜たち。もちろん我が家のバルサミコ酢と合わせても色々楽しみました。

動物性の堆肥を全く使用せずここまで採れるのか!というのが私の驚きの感想。そもそもこのレイズベッドを作るにあたって、「庭から出る大量の葉っぱや落ち葉を有効活用する」という目的は達成できたというわけです。

さて今年は2年目。随分減ってしまった土。落ち葉と枯れ草を入れ、また腐葉土を入れて野菜を植え始めました。

 

そんな動画はこちらから。しかし、畑仕事はいい筋トレになりそうです。

イタリアで家庭菜園その1

モデナに住み始めた頃、その頃来てくれていた庭の手入れをする方が、我が家の庭の一角に畑をしていた。

いくらでも採って食べてもいいからと言われていたけど、数年経ったら自分でやりたくなった。

バルサミコ酢もだけれど、一からやりたくなるのが私の悪い癖。

私にもスペースをちょうだいとお願いして、耕運機で耕してもらい、始めたのがきっかけ。そのうちその庭の手入れをしてくれていた方も退職してしまい、耕運機を自分で持っていないから、耕すことがえらく大変で、刈った草や、枯葉を重ねていくという「耕さない」という自然農法に目が行ったのだけれど、結局夏バカンスの間に数週間留守にするとどれが作物で、雑草か全く見分けがつかないボウボウぶり。

バカンスから帰って、畑に行ったら草に埋もれたカボチャにつまずいて転んだことも…。

そんなことを見かねて去年、レイズベッドという上げ底式の畑を取り入れよう!と一念発起。折しもイタリアロックダウン第一波で、時間はたっぷりある。

家族でとレイズベッド大制作プロジェクトを立ち上げる。

何でも大プロジェクトとか大きなスローガン()を掲げていろいろなことをするのが大好きなMAX

材料は角材100本!倉庫に保管されていたものを使用。6m× 1m高さ30cmのレイズベッド4つ作ることにした。

なんでそんなに角材が必要となれば、無理だよね。となるのが普通だけれど、なぜか我が家にはこういうのがあるんですよ。

遡る事、数年前

ガラス瓶を扱う会社で働いていた従兄弟が、資材運搬使われてくる固定用の角材がたくさんあり、通常は廃棄処分するのだけど、勿体無いよな。というのを聞きつけた我が夫。

運搬費を持つから、譲り受ける!と言い出して、長さは2メーター幅10センチ厚み6センチのしっかりとした角材で樅の角材を1800本‼️ほど無料で貰い受けた。といっても運搬にクレーン付きの10トントラックをお願いしたものだから、運送費は嵩んでしまった上、15cmもある釘が一本に510本刺さっていた。それをバールで一本一本引く抜き、まっすぐなものとそうでないものに振り分け、真っ直ぐなものは木工材料、使えそうにないものは丸鋸で切断して薪ストーブの燃料にする事にした。ここまで相当の労力!

MAXよ、はっきり言わせて欲しい!ただほど高いものはなし!(←こういうことがものすごく沢山ある我が家)

さて本題へ戻ろう。こういう思いつきプロジェクトは構想夫。実働私というのがものすごく多いため、私が条件を出した。始めたら最後まで子供達含め、土入れと、苗植えが終わり、支柱立てまでしっかり飽きないでプロジェクトをやり遂げる!というもの。

支柱用に切り出した竹

プロジェクトを推進中もどんどん案を出す夫。これはやっぱり自動散水設備を取り付けよう!

もしもーしここ水道の蛇口ないんですが

次回へ続きます。

イタリア生活、バルサミコ酢の醸造を動画で紹介しています。

 

バルサミコ酢レシピ その11 ラムチョップのバルサミコ酢焼き

行動規制が出ているので、今年は家族4人で過ごしました。朝食はトルタディフォルマッジョ。中部イタリアのウンブリア州グッビオからモデナに嫁入りしてきた主人のおばあさんが、必ず作っていたそうで、私もレシピを聞いて毎年作っています。チーズと粉が同量という物凄いレシピ本当は丸ですが、復活祭のブログに書いたように今年は鳩型

お昼はもちろん、卵のたっぷり入った手打ちパスタ。ガスパリ製粉所の石臼で挽いた小麦

を使ってロゼッタを作りました。中にはベシャメルソースとプロシュットコット(ハム)、そしてパルミジャーノレッジャーノ チーズがどっさり入いる、太巻のように巻き込んで作るパスタ。切り口が渦巻き状のバラの花の様な様子から名前がついたパスタ料理。オーブンで焼いて食べます。

パスタには今の時期畑の畦道にたくさん生え始めた、オルティーケ(ネトル)を練り込んで緑色に

メインのお料理はラムチョップのバルサミコ酢焼き。

羊の肉を食べる習慣は古く紀元前まで遡り、旧約聖書の中で、神がエジプトにおいて、奴隷のイスラエル人(ユダヤの民)を自由解放した話に基づきます。
「エジプトを今晩通過するだろう、そして、(エジプト人の)長子を皆殺しにする」それを聞きつけたイスラエル人が罰を受けない目印として、家の戸口に子羊の血で目印をつけたのだとか。
キリスト教においては、犠牲になった子羊(キリスト)は救済の象徴ということで、復活祭でイタリアでは羊を多く食べます。羊ではなく、ウサギやヤギを食べる文化を持つ地域もあるそうで、色々調べてみるとなかなか深い復活祭の食卓なのでした。

今日ご紹介するレシピは代々アチェタイアを持つ、モデナ在住の方に教えていただいたレシピです。お酢や、白ワイン、アンチョビが入るので、ラム肉の臭みも気にならないとってもおすすめのレシピ!是非試してみてください。

ラムチョップのバルサミコ酢焼き

材料

(4人分)
ラムチョップ 1kg
塩、胡椒   適宜
オリーブオイルEV 大さじ1
バター    100g
にんにく   1かけら
白ワイン   250ml
肉のスープストック 200ml

あわせビネガー(細かくみじん切りか、ミキサーにかけて作っておく)
ワインビネガー 大さじ2
ローズマリー  1枝
にんにく    1かけ
アンチョビ   4枚

伝統的製法で作ったバルサミコ酢 大さじ3

作り方

注意:香りと風味が飛んでしまいますので、バルサミコ酢に火は入れないでください。

合わせるワインは ランブルスコ グラスパロッサ種、アマローネ、プリミティーボなどがお勧めです。

その他のレシピはこちらからどうぞ

復活祭

復活祭

Buona Pasqua

復活祭おめでとうございます。

子供達が食紅で色をつけてくれたゆで卵

去年よりも少し規制が緩いとはいえ、ロックダウンのイタリア。

大袈裟に集まることができないので、家族で過ごします。

この復活祭の、日本のお正月の雰囲気と似たようなところがあり、キリスト教においては全ての行事が復活祭から一新される節目の行事です。復活祭の詳しいお話はこちらからどうぞ

イタリアは復活祭の休暇中。

気候も良くなってくるこの時期、学校の授業がオンラインに切り替わってからもう1ヶ月。我が家の小学2年生は、エネルギー爆発中。12歳のお姉ちゃんと喧嘩がすぐ始まるし、散歩に、サイクリングと連れ出してもお友達と遊べないというのは相当ストレスが溜まってくる感じなのです。

14歳以下は少人数であれば、外で遊ばせてもいい!という記述を発見。とはいえ、公共の施設公園の遊具などは全て使用禁止になっており、それぞれのご家庭の考えもあるし、なんとなく電話して遊びましょうというのも憚られる。

たまたまスーパーで会った幼稚園のママ友と遭遇、うちももう限界!と愚痴大会。どこへも行けない長い休暇は親子とも持て余し気味。

じゃあうちに遊びにおいで!と誘った帰りにもう1人の運動不足解消のお散歩中のお友達発見!

早速遊ぶ約束を取りつけて意気揚々と帰宅。

もちろん息子は大喜びで、お友達が来る1時間も前から玄関前で待ち構えておりました。

友達が来て大張り切り、木に登って見せる息子。や、それ無理でしょ!と2人の友達の背中が語ってます。

やってきた友達2人と、棒切れを持って庭中走り回り、そこら辺に穴を掘ったり、ボール遊びをしたり、木に登ったり19時過ぎまで、みんなほっぺは真っ赤、襟足を汗だくにして思いっきり遊んだのでした。子供は子供と遊ばないとダメですね。

3人とも年の離れたお姉ちゃんがいるので、まあ口達者。おやつを食べているときに観察していると、まああ3人でしゃべる事しゃべる事。1番白熱していたお題は?どんなイースターエッグチョコがもらえるか?でした。うーん時事問題抑えてますね。7歳侮れない!

なぜならイタリアのイースターの大きなチョコレートの卵の中にはソルプレーザ(サプライズの意)の大きなおまけが入っているのでチョコレートの大きさだけでなく、それも楽しみにしているんです。巨大なチョコレート卵の動画はこちらから

卵は復活を意味し宗教的にも意味がありますからゆで卵に色を塗ったり、卵の飾りを作ったり子供達と一緒に飾りを作りました。卵型にした枝は剪定が終わったばかりの葡萄畑から持ってきて庭に咲いている花を。鳩そしてオリーブの枝は平和の象徴。オリーブの枝の関連記事はこちらから

子供たちの手にかかるといろんなものが付け加えられていく飾り

コロンバという復活祭に食べるお菓子も鳩の形。今年は最近料理に目覚めた娘が一人で作る!とネットで動画やレシピを探して作ってくれました。2日かけてゆっくり発酵させて作ったコロンバ。とっても上手にできています。型がなきゃできない!というのでネット通販で、つい20個(10個とほぼ同価格だった)も買ってしてしまい…。この分だとざっと計算して20年分!?それは流石に困るので、本当は丸いトルタディフォルマッジョも今年は鳩型。この分だとクリスマスのパネットーネも鳩型決定の我が家。5年くらいで型を消費したいものです。

さてこれから、復活祭の昼食の用意にかかります。

この時期に行うバルサミコ酢の移し替え作業の動画はこちらから