イタリアで荷物を待つ心得

さくらんぼがたわわに実る6月。

お腹いっぱいになるまでさくらんぼが食べられるなんて夢のよう。が、結構加工には時間がかかり、目下その処理に追われています。

そんな昨日の昼頃、「配送会社のトラックが家の前にいるから出てきて支払いが必要らしいよ」と外で作業していた夫。まさかあの幻の荷物か?!と財布を引っ掴んで外に出て行きました。

時は遡り、8ヶ月前去年の9月。

クリスマスのプレゼントリクエストある?と両親から連絡がありました。

ありがたいことに毎年、家族勢員分10月に船便でクリスマスプレゼントを送ってくれているのです。毎年家族全員大変楽しみにしているこのクリスマス配送。船便は23ヶ月もあれば到着するのが常。

ここ8ヶ月ほど日本の郵便局では個人発送の航空便を受け付けてくれないらしいのですが船便は大丈夫とのこと。。が、が、待てど暮らせどこない。

アリタリアの経営破綻を受けてコロナに戦争、原油価格の高騰などなどまあ理由は思い当たりますが、ちなみに発送日はアリタリアが経営破綻する直前

2022年のクリスマスに到着すればいいんじゃないの?知ってる第二次世界大戦中に出した手紙が数年前に届いてニュースになった事もあるくらいだから」

と心配する両親に言っていたくらい。

日本で少々の遅れにイライラしてらっしゃるあなた、届く事が確約されている日本は普通ではないのです。日本に帰国すると、宅配便の律儀さに、

「届けていただいて本当にありがとうございますうう〜」と満面の笑みで過剰にお礼を言うだけでは飽き足らず、配達員さんにコーヒーかお茶でもいかがですか?と言いたくなってしまうほど。

とはいえ、年がすっかり明け、あんまりにも届かないので、痺れを切らした母が試しにもう一個送ってみる。と言い出し、1月末に船便を出すと、それまでの最短?!と思われる2ヶ月以内に到着。

それまでの個人発送の荷物はインボイス書類を明示しなくてもよかったのですが、詳細まで記載しなくてはならない方法に切り替わり、かなり大変な思いをして記載(イタリア語と日本語)したと思わしき用紙が入っており、孫が大受けしておりました。「ふりかけ」なんてどうやって訳せばいいのか、ねえ

あわよくば、2個一緒に届くなんて事があったりしてーと期待したのですが、それもハズレ。一体全体10月に出した荷物はどこに行ってしまったのでしょう???

確かに2021年10月11日の消印
イタリアでの扱いが2022年5月19日?!

が、今日2022年6月7日、8ヶ月越しで、届いたんですよ!受け取りの際関税で申請されたのは22ユーロ。

家族全員大喜びで受け取って、開封するところをビデオコールでライブ中継。

これだけ遅れると、不思議なもので、誰1人怒る人もなし。

「お正月に食べてね。」

餅が乾燥して割れてます

と送ってくれた真空パックの餅(賞味期限20236)が、揚げ餅にすぐ加工できそうなほど乾燥しているところを見ると、かなり高温の乾燥した地域に保管されていたと推測されるのです。と言うことはコンテナごと中東やアフリカどこかの港に留め置かれていたのでしょうか?全て賞味期限が切れていたお煎餅もパリパリ。ちなみに我が家は賞味期限なんて小さなことにこだわるやつは誰もおりません。

杉板の麹蓋 この上で麹を起こします

一番紛失しては困るプレゼントが私のリクエストの杉板の麹蓋!これはもし盗まれても、本来の目的で使える人いないし、よくてお盆、悪くて薪として燃やされちゃいそうだから内心一番心配していた代物。あーこれで楽しく麹が起こせます。

荷物の無事を日伊で異常な盛り上がりで祝った後、イタリア人の夫が締めに一言。

「ね〜イタリアっていい国でしょ?遅れるだけ遅れて荷物が届けば、みんながこんなにハッピーになれるんだから」

これがイタリアに暮らすメンタル。

そんな事を知らなくても良い日本の両親よ、本当に心配をかけました。ありがとう。

「心配しすぎず、諦めずに気長に待つ。」

これがイタリアで日本から荷物を受け取る時の心得以外のなんであろう。

イタリア在住の日本人の皆様、日本からのお待ちの荷物があったら、多分届きます。遅れて受け取る時の嬉しさは通常で届く荷物の100倍。

皆さんにご多幸あれ。

あゝ、思春期の子育て

赤ちゃんサイズの葡萄の実がつき始めました。今回は葡萄の話ではなく、このところエネルギーを吸い取られている

「ああ思春期の子育て」

こんなテーマで。どこの国でも頭を悩ます時期。我が家でももうすぐ14歳になる思春期真っ只中の女子一名。

自己主張ができてナンボの国イタリアは、青少年の主張も凄まじい。

コロナ禍が落ち着いてきたイタリア。2年間全くいけなかった遠足も再開。学校関係の行事も放課後教科授業、習い事の空手のレッスンに加え、大会に向けた強化練習、バンドに声をかけられてキーボード弾き、遊ぶ約束などなど、2年間封じ込めていた行動を爆発させるかのように予定を入れている娘。

成績が落ちたら最近持ち始めた携帯は没収し、全て辞めさせる。と言明してあるので、鼻の穴を膨らませて短時間でバリバリ勉強もこなし、立て続けに良い成績を持って帰ってきた、よし、それは認めよう。が、家の中での態度が悪いことこの上なし。ご飯の時間にしか顔を見せず、朝などムスッとしてろくに挨拶もしない娘。

やることやってんだから文句言うんじゃないよ、やりたい事やらせなさいよ。という気迫が炎のように立ち上がってますが、親としては小言や説教もしたくなるのが人情。

いい加減腹にすえかねた夫が、こいつは怒るだけじゃ効かないなと、ついに行動を起こしました。

月曜の4時間目娘のクラスは外で体育。息子の小学校は中学校の校庭の横を通らなくてはならない。注)イタリアの小学校は保護者が送り迎えをすることが義務付けらています

ちょうど100Mのスタートラインにスターティングブロックをセットしている娘を発見した夫。

全クラスの前で「K(娘の名前) Vai! Forzaaaa! Vinci per nooooi!!Kいけー頑張れー俺たちのために勝ってこーいとでっかい声で大騒ぎ。全クラスメートがこちらを振り返り、先生も爆笑。

帰ってきて「パパ。お願いだからやめて」という娘

もちろんこれだけじゃ終わりません。

次の日は放課後の強化授業開始の合間に外の公園でお昼ご飯を食べるために友達と校門から出てきた娘に、息子と一緒にこれまたでっかい声で遠くから手を振りながら

Ciao! Ciao! Ciaaaoooo KKKK

お友達はその様子を「ほらおたくのお父さんまた呼んでるよおお」

とニヤニヤ。当事者にはなりたくないけど、他人事は楽しい。私も全体の様子を見ながらニタニタ。

娘は手を額に置いて空を見上げて絶望ポーズ。

「お前の態度が治ったらやらないよおお」とこのラウンドも夫の圧勝。

ここから家での態度が少し良くなりました。

そんなある日、「今度の土曜日友達と映画行くから」

聞くと、女の子達6人で、2010分のドクターストレージをネット予約したという。

「なんでそんな遅い時間に行くの?午後早い時間にして夕方に帰てこれるようにしなさい」

「だって他のお家は良いって言ったし、土曜の午後は2人の子が用事があってその時間にしか無理だから、お友達の親が映画館までは送ってくれるもん。」

まだ誰が送ってくれるのかも未定。映画が終わったら、誰が迎えに行くかも未定。

「全てが計画不足で、今回はお前抜きで他の友達だけ行くんだな。」

娘 絶望顔

「あ、ひとつだけ行ける条件があるよ。」

娘「???」

「うちは家族が全員映画を見に行く。そこにたまたまお前の友達と会ったってことならいいよ。もちろんkは友達と座っていいから」と

嫌だと言ったら、計画は終了。渋々条件を飲んだ娘。

 行ってきましたよ。マーベル映画大ファンの息子9歳は夕飯も気もそぞろ、1時間も前に出かけると大張り切り。その横で娘は夫に

「パパ離れたところに座って、私の友達には話しかけないで!」念押し。

複合アミューズメントパークとでも言えばいいのか、10本以上の映画が上映できる大きな映画館。

一階は軽食レストランやチケット売り場とキャラクターグズ売り場に本屋さん。

日本のアニメtシャツも色々ありました

2階はゲームセンター、3階にはスナックやポップコーンを売るキオスクと各上映劇場の入り口。

映画のフィギュアや立体ポスターの前で記念撮影する息子と夫を横目で見ながら、携帯でチャットをしている娘。案の定5人の友達は遅刻気味で、上映ギリギリならないと到着しないらしい。一手にバケツ型の容器に入ったポップコーン6つとドリンクを購入する羽目に陥った娘。こういう時だけ殊勝に

友達が来る前に一枚

「ママ手伝ってくれない?お金立て替えないといけないし。」

「はいはい。でもさ、こんなおっきなポップコーンの入れ物2人では持ちきれないからパパにも頼むよ」

夫、と私、息子とポップコーン持って、待ってましたよ入り口で。

もちろん夫黙っている訳がない。

「はいはーいご注文のポップコーン。この大きいサイズのはどなた?コカコーラでしたか?お水でしたかあ?」ファーストフードの店員さんばりの大声でついでに笑顔も大サービス

みんなニヤニヤちょっと恥ずかしそうに

「ありがとうございますうう」

もちろん席は離れていておりましたので、邪魔はしてませんが、

イタリアの映画上映、始まる前にこんな映像アナウンスが

「映画上映中、周囲に大きな声で話しかけたり、犯人はあいつだとかそういうことは言わないように」とやっぱり黙ってられない国民性だけにわざわざ流すんだなあと思っていたら

あるシーンの登場人物がマーベルファンなら大喜びのちょっとびっくりな展開になりまして

Noooo  Che belloooo

あゝ拍手まで始めちゃったよ。

が、他のお客さんおそらく同世代のおじさん達も大拍手。

私はこういうところがイタリアっぽくて、すごく好きなんです。

が、終わってからの帰りの車中で娘、「もーパパ、一番最初に騒いでたでしょ!」

娘よ、君の父親は愛すべきイタリア人なのだから。

ふざけて写真を撮ってるところ 思春期の娘が物凄く嫌がるやつです。9歳息子は大喜び

それがわかった時が思春期も終わり、巣立って行くのだろうから、大いに反抗して欲しい。いや、もっと面白いことを夫にやって欲しいと、普通に小言と説教しかできない日本人の母は思うのです。対抗するにはエネルギーがどんだけあっても足らない。こういう夫も奇想天外な攻防戦は私の気晴らしにもなってます。

思春期のお子様をお持ちの皆様、頑張ってまいりましょう。

嬉しいお客様の声

14年熟成のバルサミコ酢の販売を開始して2ヶ月。

ホームページ、SNSYouTobeを通して、購入後バルサミコ酢を使ってお料理をSNSにアップしてくださる方、わざわざメッセージと共にも写真を送ってくださる方と生産者冥利に尽きます。

そんな中からとっても嬉しかったメッセージをいくつかご紹介します。

イタリアの醸造室で数年前に味見をさせて頂いた時より、深さが増していて感激しました。

イタリア好きの特集を見てくださって、見学に来てくださり、日本で購入してくださった方も

13年と14年比べたら年輪を重ねたかのような感じがして深いなあと

お料理に両方かけて比べたら、14年は全然違っててびっくりしました。お料理に使ってこそわかりますね。

バルサミコ酢の認識が根底から変わりました。

バルサミコ酢が嫌いな主人が、これは美味しい!と言ってどんどん使ってしまいました。

イタリアで研修会にいらしたシェフが、こだわりの地元の生産者さんとの食材と合わせてくださったり

特別な家族の集まる食卓に使った写真をアップしてくださったり

新規の方はもちろん、醸造室に見学に来てくださった方が気にかけていてくださって、日本で購入して下さったり、去年の13年熟成のバルサミコ酢を購入されて、リピーターになってくださったり本当に嬉しいです。

もちろん全てのメッセージは夫にもイタリア語にして伝えております。

長期の熟成を経たバルサミコ酢は賞味期限が10年と長いので、熟成年違いを比べてみるというのも楽しみ方。一年でこんなに変化があるのか!とびっくりされるのではないかと思います。

日本では引き続きダローマさんダローマさんで販売しております。

常設の伊勢丹新宿店 地下一階はもちろん、三越伊勢丹日本橋店のイタリア展前半に出店され、

そちらでもバルサミコ酢が購入できます。こだわりの生産者さんによる魅力的な商品を始め、イタリアのセミナーやイベントが盛り沢山。是非お出かけください。

バルサミコ酢レシピ その20 アスパラ海老春巻きのバルサミコ酢仕立て

復活祭の休暇が終わり、随分と緑が濃くなってきたイタリア

家庭菜園のアスパラガスがどんどん育ち始めました。

採りたてのアスパラガスを間髪入れずに茹でると、それはそれは甘くて、形や太さは不揃いでも市場に出回っているどんな高価なアスパラガスよりも美味!

そんなアスパラを使って今日は春巻き。春巻きの皮はイタリアでも中華食材屋に冷凍で売っていたり、パスタ フィッロという名で、春巻きの皮に近いものが大きなスーパーだと冷蔵で手に入ります。

是非お試しください

アスパラ海老春巻きバルサミコ酢仕立て

材料4人分

アスパラガス 16本

パプリカ   1個

海老大きめ  16尾

春巻きの皮  8枚

塩      適宜

バルサミコ酢 適宜

作り方

日本でバルサミコ酢の販売をしてくださっている、ダローマさん。

三越伊勢丹日本橋展のイタリア展前半に出店されるそうです。店頭に我が家のバルサミコ酢も並びますので、よろしくお願いします。

発酵マニアの家庭菜園

毎年恒例の春の畑の作業。今年は例年と比較して気温が低い3月だったので、畑の作業の開始が少々遅くなった。410日も過ぎて、やっと畑の植え付けを開始。

雨上がりスッキリ晴れた朝。

今年で3年目のレイズベッド(底上げ式畑)は庭の廃棄物の賜物。庭木の落ち葉、刈り取った芝、そして台所から出る野菜をコンポストで堆肥を作って畑に入れているのである。

我が家のレイズベッドのYouTobe動画はこちらから

このコンポスト小さいものではなく300リッターのものが2つ我が家の生ごみはこのコンポスト導入後、80%削減できたという快挙。

コンポストはパン作りの天然酵母同様、水分と細菌のバランスが悪くなると良いものができない。異臭がしたり、虫が湧いたり発酵せず、堆肥作りが上手に行われじゃなくなるのである。を自称する私としてはパン作りを始め、手作り味噌や醤油同様飼育している発酵物の1つと言っても過言ではない。

ミニ樽に仕込んだひよこ豆麦味噌

コンポストは土おこしフォークで定期的にかき混ぜ、空気を含ませ、台所の生ゴミは動物性のものや、塩分が入ったものは臭いが出たり、発酵を阻害するので入れないようにして、定期的に枯れ草や枯葉を混ぜ込んだり、

コンポストの中身数ヶ月すれば上質の堆肥になります

場合によっては水を入れることもあるし、発酵を促進させるために、小麦麩をもらってきて混ぜ込んだり色々と試している。発酵が活発な時はコンポスト内がかなりの熱を発生させて、温かくなるから発酵熱とは凄いものです。

 そんな堆肥をふんだんに使ったレイズベッドの畑3年目は、期待していたアルパラがニョキニョキで始めました!

4月に入ってニョキニョキしてきた家庭菜園のアスパラガス

そのうちバルサミコ酢と合わせたレシピもご紹介できそうです。

バルサミコ酢レシピの紹介はこちらから↓↓

 日本でバルサミコ酢の販売をしてくださっている、ダローマ

三越伊勢丹日本橋展のイタリア展Part1 4月27日から5月1日までに出店されます。

もちろん店頭に我が家のバルサミコ酢も並びますので、よろしくお願いします。イタリアの魅力的な商品を始め、セミナーやイベント盛り沢山。是非お出かけください。

ワインビネガーの意外な使い方

すっかり桜が満開のモデナ。やっと寒気が落ち着いて、満開になったので、今年は庭のさくらんぼ🍒かなり期待です。

日本でお酢と言えば、米酢をはじめ、穀物を主原料としたお酢が一般的ですが、イタリアで一般的にお酢といえば、ワインビネガー。我が家でも欠かせないアイテムです。

バルサミコ酢を醸造していたら、ワインビネガーなんて必要なのですか?と思われる方いらっしゃるかもしれませんが、なかなかワインビネガーの世界も奥が深いのです。

バルサミコ酢は特別なお酢ですから、我が家でもそう毎日ジャバジャバ使っているわけではなく、普段使いはワインビネガーを使っています。

ワインビネガーとバルサミコ酢何が違うか整理しましょう。

・ワインビネガー

 葡萄の糖分が全てアルコールになったワインが酸化してできる酢 熟成期間は半年から1年程度 日本では果実酢というカテゴリーに分類されています。

・バルサミコ酢

 葡萄の汁を煮詰めたモストコットの糖分の一部がアルコールに変わったものが酸化してできる酢。熟成期間は材質の異なる木樽を用いて、年に一度移し替え作業をしながら12年以上

そんなわけで、ワインビネガーは糖分が残っていないこと、バルサミコ酢と比べると短い熟成期間でお酢になる。力強い酸味が特徴です。

正直言って日本にいた頃、ワインビネガーは酸味が強すぎておいしいと思った事がなかったのです。が、自分で作ってみるとまたこれが美味しい!どうしてなのかな?と不思議に思って調べたところ、日本の市販のワインビネガーをはじめとする果実酢は、1L当たり300g以上の果汁を使用したものという定義があって100%葡萄の汁を使っていない?!

一体1ml1g程度と考えた場合、300ml。残りの700mlは何が入っているのでしょう?醸造アルコールというものを添加してお酢にしたり、酸度の高いお酢を加えて薄めたりして作っているのだそう。そりゃ旨味も薄くなる訳だと納得。

 葡萄をワインにするには、廃棄量を考えたら1L当たり、最低でも3割増の果実が必要になり、酵母を使ってアルコール発酵してワインにするには時間もかかるのですが、そこで生まれるエステル化合物の芳香が生まれ、香りの高いワインになってゆく。それを酢酸発酵していく過程で酢酸、クエン酸、りんご酸、などの有機酸が生まれたり、増えるので、ワインから作り出すお酢は手間も時間も材料費もかかる美味しいリッチなお酢。でもお酢って絶対ワインより安いのは、何故なのでしょう?それはお酢は、ワインが古くなって酸化して飲めなくなったもの。

実際今でもイタリアではワインを自宅用に作っている人は、ワインビネガーも作っている方が大半。もちろん、お酢にするためには、酸化防止剤が入っていないワインが必要です。

 我が家では秋の葡萄作業をする時期にモスト(葡萄の絞り汁)1番絞りをバルサミコ酢造りに利用して、そのあと絞り出した100Lほどのモストからワインを作り、それをワインビネガーにします。

鑑定講習会ではワインビネガーも試していただいてますが、これを食した皆さん、こんなにワインビネガーが美味しいとは知りませんでした!という方が多く、譲ってください!とお願いされることもしばしば。

日本に帰って高級米酢を使ったのにもかかわらず、サラダの味がボケて感じたのは酸度の差だったようです。サラダには良いワインビネガー使うと本当に味がしまる。主張が強いイタリア野菜には絶対にあいます。逆に日本のお寿司や酢物にはワインビネガーは強すぎて繊細な日本料理にはあわない。適材適所がある事を実感。

実はこのワインビネガー我が家では食用以外にも意外な使い方をしています。

その大部分は大樽に入れて保存し、バルサミコ酢の樽の清掃に使っています。

ワインビネガーは大樽に保存してあります

我が家のワインビネガーファンが聞いたら卒倒しそうな話ですが、匂いが移ってしまうので、化学薬品や、洗剤は使えない伝統的なバルサミコ酢造り。殺菌消毒にはワインビネガーを使うのです。もっと贅沢な消毒方法はグラッパを使用すること。同じワインの一部を2回蒸留して、グラッパにし、カビ防止に樽に吹きかけたり、醸造室の道具の消毒に使っています。材料の葡萄があるからこその特権。これ購入してたらそれだけで大変なことになってしまいます。

ワインビネガーとグラッパを使って綺麗になった樽

全てバルサミコ酢の樽の手入れは、樽の中のバルサミコ酢同様の葡萄由来のものを使うので、伝統的なバルサミコ酢の醸造は桁違いに贅沢なものなのかもしれません。

 

醸造室の啓蟄

バルサミコ酢の作業は、最終製品を樽から取り出した後から、少しづつ増えてくる。

剪定を終えてスッキリした葡萄畑。

 冬を終え、日に日に暖かくなってくるこの時期、霧はなくなり、いい天気が続くと醸造室の空気の入れ替えを始め樽の手入れをしたり、コキューメ(樽の蓋の部分)にかかっている布を変えたり、移し替え作業を少しづつしてゆく。

暖かくなってくると、冬眠から目覚めるように、樽の中の酢酸菌をはじめとする微生物が起き出してくる感じがするのである。まさに醸造室の啓蟄。

残念ながら微生物が動き出すのは見えないけれど、格段に醸造室の香りが高くなって、醸造室の扉を開けると「あー動いているな」と感じるから不思議なものである。

醸造室の作業を始めた頃、久しぶりにお客様が見えた。

ミラノの大学に留学されている50代の方でで、英語は堪能だけれども、イタリア語でお料理教室や、醸造室見学をするのは難しいと考えていらっしゃったらしく、ネットで調べられて、私に行き当たったとのことだった。母国語の日本語で化学的なことから、歴史的なこと、細かい事を聞けるのと、一緒にモデナの郷土料理を作り、作我が家の家族と食卓を共にしたのはとても楽しくて、気分転換になりました。とお話しされていたのが印象的。

豚肩ロースのバルサミコ酢ロースト マッシュルーム添え

かぼちゃのトルテッリーニ バルサミコ酢を添えていただきます。

私も随分久しぶりのお客様で、様々な経験されて、私のやっている事とリンクすることも多かったので、色々なお話を聞かせて頂いて、私のモチベーションも上がり、新しい人との出会の大切さを再認識できた1日でした。

日本でバルサミコ酢を販売しております。詳しくはこちらの記事から

2022年バルサミコ酢日本発売開始しました

見学にいらっしゃいませんか?

見学&体験 メニュー

国際女性の日

今日3月8日はイタリアで、国際女性の日。

世界中の女性の人権を守り、女性の活躍の支援をするために国際的に祝う日

ウクライナの戦火の中、大変な思いをされている女性、アフガニスタンの女性をはじめ、全世界の女性の不安や懸念がなくなって活躍できる世界を望まずにはいられません。

イタリアでは主に2月の終わり辺りから咲くミモザの花を贈るのが一般的。

さぞやイタリアの男性はマメだから、うちの夫も。と思う方そうは問屋が卸さない。

うちの夫曰く、

「僕は元々女性の活躍は大歓迎!花なんか送らなくても、十分活躍を支援してますよーお仕事行ってらっしゃーい」

と今朝もニコニコで言われました🤣

さあ今日は日本の某雑誌の取材撮影。出版される頃には皆さんにもお知らせします。

さて頑張って行ってこよう!

皆さんにはバルサミコ酢の瓶に、街角花屋フロラリさんに、ミモザの花をあしらった素敵な写真を撮っていただきましたので、お楽しみください。

バルサミコ酢造り ジュニパーベリーの樽導入 

 ずいぶん前からジュニパーベリーの樽が欲しかった。鑑定会でもジュニパーベリーの樽で熟成させたものと、一発でわかる独特の香りがして、好き嫌いが分かれる。特に、10年程度の熟成では松脂を舐めているような強烈な香りと味で、お世辞にも美味しいとは言えない。

が、2030年以上経ったものはなかなか良いのである。お料理を選ぶとポテンシャルが発揮されるような感じ。

我が家の通常の樽のセットは5つで構成されていて、桑、オーク、栗、桜、アカシアで構成しているが、そのセットに入れないジュニパーベリーの大きめの樽が欲しいと思っていた。

ただ、ご存知のように、低木なので、樽ができるような大きなジュニパーベリーの材木はなかなか樽屋でも手に入らないし、あっても大変な高額になる。

山の中で見つけたジュニパーベリー

そんなわけで、醸造家の中にはジュニパーベリーの木片を樽の中に入れる人や、側と呼ばれる周りの板の一部や、底板だけにジュニパーベリーを混ぜるという話も聞いたことがあった。が、私たちが欲しいのは樽まるごと。そんなある日、ひょんな事から知り合った人が、トスカーナ州とエミリアロマーニャ州の県境の山の中に家を建てることになり、敷地内に生えていたかなり大きなジュニパーベリーの木を何本か施工にあたり一年前に切った話を聞いた。これは!と聞くと、ほとんど原生林状態だったため、農薬や、殺虫剤の散布は全くなかった山の中で、切り出した後何かに使えるのではないかと、倉庫にとってあるいうのである。早速交渉して、引き取りに。

とはいえ保管中の虫食いの有無、大きさ的に樽にできるのか?使える状態なのか判断がつかないので、樽屋の友達トーマス君のところへ搬入。

トーマス君はもでな界隈でも若い樽屋さん。お母さん方のおじいさんの跡を継いで、この道に入った。

雑誌イタリア好きの取材にも快く応じてくれたり、A級鑑定士の資格試験の同期合格だったりと縁がある。見てもらうと、切り出して、また伸縮があるだろうから、ゆっくり乾燥させなくてはいけないから、時間がかかるよ。と急がないからとコロナの影響もあって早2年経過。やっとできてきたと去年の年末に連絡があった。

大きさは30Lの樽である。

車で運んで帰ってきただけで、車の中がむせかえるような香りが充満した。

早速樽を使えるようにしなくてはならない。まずは木屑や埃を掃除機で吸い取って、そこへグラグラ沸かした熱湯と7%の食塩を入れ、樽の中の殺菌、木の余分なタンニンを取り出すのが目的。通常3日ほどで良いのだけれど、木の香りが強いので、4日置く。まるでヒノキのお風呂に入っているか、アロマオイルを炊いているかのような凄まじい香り。

その間、樽がもれないか、チェックをしていく。そこで木材と木材のつなぎ目から漏れるのはタガを閉めれば、大して問題ではないけれど、ひびなどは水分が染み出してくるとタガを絞めてもダメなので、この数日でチェックが必要。4日で、20%くらい木に水分が吸収され、食塩水の色もすっかり真っ黒。そんな水を抜いて今度は3日ほど逆さにして乾かしていく。あまり乾かしすぎてもタガが緩むのでそこそこに。

醸造室に運び込み、いっぱいまで、酸度が強いワインビネガーを口いっぱいまで入れて、蓋をして通常1年置いて酢酸菌を植え付けていく。が、今回は癖が強すぎるので、2年置いてみようと思う。最終的にバルサミコ酢を入れて熟成して、自分が納得いく味になるのは20年以上はかかりそうだ。

多分ジビエ料理に抜群に合うだろうなと樽をくんくん嗅ぎながら、まだできぬバルサミコ酢に思いを馳せる。死ぬまでにできたら良いやね。と考えさせるバルサミコ酢は、時空まで超える究極の趣味なのである。

樽を使えるようにする作業動画にしました。

日本販売のご紹介

14年熟成バルサミコ酢

14回の葡萄の収穫が100mlの瓶の中に凝縮されています。栗、西洋オーク、桑、桜、アカシアの樽で熟成させた芳醇な香りと爽やかな酸味が特徴です。

バルサミコ酢 リセルヴァ

フォルニ家に250年以上伝わる家宝の樽から取り出した、奇跡のバルサミコ酢。圧倒的な芳香と複雑な歴史の味を、手作りのマヨリカ焼きのボトルに入れての限定発売

日本の販売店 伊勢丹新宿店地下一階ダローマにて扱いがございます。オンラインショップもご利用ください。


見学


バルサミコ酢の醸造室の見学にいらっしゃいませんか?

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イタリアの迷所にようこそ 滞在許可証ICカード受け取り

滞在許可証電子カード化の話を前半後半で書きましたら、かなりたくさんの方に読んでいただき、在伊友達チャットでも、同じイタリアに住んでいるとは思えないくらい、やった事が違うため、情報交換&移民局ネタ、愚痴ぶちまけ大会で盛り上がりました。2月中旬を過ぎた今現在の最大の関心事は、いつ受け取れるのか?

そんなわけで、今回はそこの辺りを

 私の場合1223日に申請した申請が通り、なんと期限通りにICチップ入りカードが出来上がってきたという奇跡が!

「クリスマスも正月を挟むため、通常3週間ですが、おそらく1ヶ月くらいと考えてください。受け取りもパトロナートで予約を取ってからお願いします」

と言われていたので、ダメ元で20日に、パトロナートの担当者のルチーアさんに(仮名)あらかじめ聞いていたメールで申請した許可証番号と名前を書いて確認を入れると、まだ手続き中ですので、出来上がり次第ご連絡します。という返信が。

やっぱりなとあと10日後くらいにまたメールか、気長に待とうと思っていたら、何と24日に電話が!

「出来上がりましたよ。木曜の午後が受け取りですが、今週がいいですか?来週がいいですか?」「それでは27日の木曜日にお願いします」とお願いすると予約票をすぐメールしてくれました。

まさか電話してくれると思っていなかった上、呼び出されるかと思っていた私は、過剰にお礼を申し上げました。イタリアでは本当にこれは、神対応です!

さて、寒空の127日意を決してクエストゥーラへ。

毎回の事ですが、在伊20年近くになってもクエストゥーラに行くのは気合が必要。

予約表を手に迷わず受付の5番窓口へ。なんだか面倒そうな家族連れが窓口前に陣取ってあれやこれや。

その次はモロッコ系の心細そうな若い男性、私とまあ許容範囲だと思った瞬間、南米系の女性が予約票を手に列の右側からパッと家族連れの後に入り込む。

唖然とする若い男性をよそに、私は自分の予約票を見せながら「ちょっと貴方!皆さん予約表があって並んでいて、私も貴方と同じ1530のアポよ。次はこちらの男性ですよ。その後は私!貴方最後にいらしたのだから後ろに並んでください!」とイタリア郵便局前の行列奉行さながらに列管理。女性は肩をすくめて列の後ろへ

そうこうしている今度は左から私の前の男性に「おう今日手続きの窓口はどこなんだ」と云々言いながら郵便局の振り込み用紙しか持っていない、明らかに予約していない輩がくだんの男性の前に割り込もうとしている。

行列奉行降臨

どうしていいか分からないオロオロ男性に「貴方の番ですよ」と窓口を差しながら、無理くり割り込もうとする男性に「こちら皆さん予約していらしてる方よ。パトロナートで予約しないと受付しないとクエストゥーラのホームページにも出ていますよ。質問があるなら後ろに並んで下さい。」と伝えると、聞こえなかったようなふりをして、またふらふらと空いた窓口へ 目で追っていると案の定。

「申請は午前のみ!予約して出直せ!」と係の警官から厳しく言われてふらふらと出て行った。

程なくして「シニョーラこちらへどうぞ」と手招きされて、「受け取りですね。名前を呼びますので、お待ちください」とにっこり大変感じが良い。(行列奉行評価されたのかな?)

どのくらい待つか、覚悟を決めて椅子にかけようとした瞬間、

「アカネ ドウキー(Douchi のChiはイタリア語発音はキ)」

と名前を呼ばれる。これは過去最速。

受け取りに必要なのは、

ー受取り証

ー現在有効のパスポート

ー古い滞在許可証

3点。指紋認証センサーに右と左の太さし指を乗せる事2回づつ、認証されるとスクリーンに私の許可証が出てくるシステムらしく、それを係員が確認したあと、カードを渡され、

記載事項の確認。

あっという間にIC チップ入りCarta Soggiorno Permanente(永続滞在許可証)なるものが私の手に!有効期限10年の記載。

「すみません、日本のパスポートが後8年で有効期限が切れるのですが、どうしたら良いですか?」と質問すると、

「10年後の再発行の時に申請してくだされば結構ですから」との事。5年ごとに写真を替える義務なんて事はないようです。ちょっとCarta d’identità とおんなじような感じでしょうか?

また担当者で言うことが違ったり、政府が入れ替わって法律が変わったり色々またあるかもしれませんが、参考になさって下さい。

今回の電子カードコーディチェフィスカーレ(イタリアの個人納税番号)なんかも入っていたりして、イタリアで暮らしてます。という雰囲気感が出た感じのカード。

 早速先日、子供手当(l’assegno unico)の手続きのために使いました。今イタリア政府がやっている、家の修復工事費用の税金キャッシュバックの郵便局、銀行関係の手続きにも提示するよう指示される場合も、こんなのはみた事ない紙だの、これには期限が入ってないなどの散々疑われて、受理してもらえないという目に遭いましたが(結局旦那の名義にした)、それもなくなりそうでホッ。

とりあえず、10年はクエストゥーラに行かなくて良い!

とはいえクエストゥーラに行くごとに、イタリア暮らしのスキルが格段に上がり、初めの数回の更新では、横入りされて唖然としていた日本人のシニョリーナが、何があってもかわせるスキル、行列奉行が務まる貫禄、シニョーラという呼び名がふさわしくなったという年月の経過を感じてしまった今回。イタリア暮らし段取り試験場の如くのクエストゥーラ。ある意味すごいところです。

モデナの電子カード発行は大変迅速でしたが、他州の友人は4ヶ月以上経った今もまだ発行ならず(トスカーナ州)先日手続きをして、出来るのは3ヶ月後(マルケ州)という話も聞いています。

友人たちの記事はこちらから

トスカーナ自由自在さんの記事

フィレンツェ田舎生活2さんの記事

夏に日本帰国の前に書き換えを考えていらっしゃる在伊日本人の皆様、早めに動かれたほうが無難なようですよ。

見学


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14年熟成バルサミコ酢、日本で販売開始